シグマAPO MACRO 150mm F2.8はとてもハイレベルなレンズ

Photozoneに、シグマAPO MACRO 150mm F2.8 EX DG HSMのフルサイズ機(D3X)によるレビューが掲載されています。

Sigma AF 150mm f/2.8 EX DG HSM APO Macro (FX) - Review / Test Report

  • 鏡筒は素晴らしいクオリティだが、多くのEXレンズに共通するザラザラした仕上げは、残念なことにホコリや汚れが付きやすい。新しいEXレンズに採用されているゴムコーティングのような仕上げのほうがずっと良い。
  • フォーカスリングはとてもスムーズで、ピント合わせでレンズは繰り出さない。前玉は回転しないので、偏光フィルターの使用に問題はないが、フードを付けると、フィルターの操作が困難になる。
  • HSMによるAFは無音に近いが、回転角が大きいので、無限遠から最短まではいくらか時間がかかる。フォーカスリミッターを使えば、AFは実質的に極めて速い。シングルショットAF時には、フルタイムマニュアルフォーカスが可能だ。
  • テレコン使用時は1.4xのテレコンのみがAFが可能で、仕様上は十分なF値であるにもかかわらず、2xのテレコン装着時にはニコンのカメラではAFが作動しなかった。
  • 歪曲は完全に無視できる値(0.00668%)。1.4xのテレコンを装着すると多少の糸巻き型(0.94%)になるが、それでもなお、ほとんどの被写体では問題はない。
  • 周辺光量落ちは開放では目立つ(1.07EV)が、F4以上に絞れば改善する。しかし、F11まで絞っても周辺光量落ちは0.5EV前後残っている。テレコン装着時には開放時の周辺光量落ちは大きくなる(1.21EV)が、それ以外の絞り値では改善する。
  • 中央部の解像力は開放からとても良好(very good)で、絞れば素晴らしい値(excellent)になる。周辺部と四隅も中央同様に非常にハイレベルで、開放からF16までとても良好(very good)な解像力だ。1.4xのテレコン装着時も特徴は変わらないが、ほとんどの絞り値で、おおまかに言って一目盛りずつ低い解像力になっている。
  • 倍率色収差はレンズ単体でもテレコン装着時でも概ね低い値(レンズ単体で0.59~0.8ピクセル)。これは、フルサイズのテストとしては素晴らしい結果で、実写では全く問題はない。軸上色収差は非常によく補整されていて、実写でも極めて少ない。開放ではグリーンとマゼンタのハロが見えるが、F4以上に絞れば実写では問題は解消する。
  • ボケ味は前ボケは少々荒くうるさいが、後ボケはスムーズで、多くのレンズが苦しむピント面近くの領域でさえスムーズだ。ハイライトは均一で輪郭の縁取りはごくわずか。周辺部ではF2.8-F4では、口径食のためハイライトの形に影響する(猫の目状になる)。
  • とてもハイレベルなレンズで開放からF11までの全ての絞りで解像力が高く、1.4xのテレコン装着時でも少し絞ればなおハイレベルな性能だ。色収差や歪曲は問題なく、周辺光量落ちも開放以外では問題ない。ボケ味も概ね素晴らしい。レンズの造りはプロ水準だ。総括すると、大口径の単焦点望遠レンズとしても使える、とても素晴らしいマクロレンズだ。大いに推薦。

 

光学性能は5点満点で4点と非常に高い評価になっています。実写性能とコストパフォーマンスは5点満点、機械的な造りは4.5点と光学性能以外も見事な点数ですね。解像力は絞り開放から画面周辺部まで一貫して高い値で、とても使いやすそうです。ただ、既にOS付きの150mm F2.8 EX DG OS HSMが発表されているのが悩ましいところですね。