キヤノンEF40mm F2.8 STMはパーフェクトではないが非常にハイレベルなレンズ

photozoneに、キヤノンEF40mm F2.8 STMのフルサイズ機(5D Mark II)によるレビューが掲載されています。

Canon EF 40mm f/2.8 STM - Full Format Review / Test Report

  • レンズは単純な構造で、造りは問題ない。鏡筒はプラスチック製(マウントは金属製)でしっかりと組み立てられている。フォーカスリングはスムーズに回転し、フォーカシングで内側の鏡筒が若干伸びる。フォーカスリングは実際の駆動系とつながっていないので、レンズをカメラから取り外した後で、繰り出したレンズを元に戻すことはできない。
  • STM(ステッピングモーター)によるAFはかなり速いが、少なくとも5D2では率直に言ってリングタイプUSMほど速くはない。STMは動画撮影時のイノベーションがうたわれているが、古いEOSのボディではUSMからの改善はごくわずかだ。
  • 歪曲は0.6%のわずかなタル型で、基本的に無視して良い値だ。
  • 周辺光量落ちは開放で1.7EVとかなり目立つが、F4まで絞ると大幅に改善し(0.84EV)、F5.6ではほとんど問題はなくなる(0.57EV)。
  • 中央の解像力は開放から既に素晴らしい値(excellent)で、周辺部と四隅でさえも容易にとても良い値(very good)に達している。F4とF5.6に絞ると若干解像力は改善する。F11からは若干解像力の低下が見られるが、F16でもまだ使い物になる。若干の像面湾曲があるが、心配するほどの大きさではない。
  • 倍率色収差は平均で0.5ピクセルを下回っており、基本的に無視して良い値だ。軸上色収差はF2.8でもごくわずかで、F4まで絞ると基本的に解消する。
  • ボケ味は、ハイライト部分の描写は少なくとも中央部は極めて良好で、ボケは円形を保っており、円の内部もとてもスムーズだ。開放では輪郭がかなり目立つが、1段絞れば解消する。周辺部ではハイライトが猫の目状になり、これは普通のことだが良いことではない。前ボケは少々うるさいが、後ボケはスムーズだ。しかし、後ボケもパーフェクトではない。
  • 中央は極めてシャープで、周辺部と四隅でさえ開放からとてもハイレベルだ。ボケ味は良好だが際立ったものではない。鏡筒の造りは非常にハイレベル。STMによるAFは、古いボディではあまり改善は見られない。EF40mm F2.8はパーフェクトなレンズではないかもしれないが、非常にハイレベルなレンズだ。あなたが、レンズの焦点距離と明るさに納得できるなら、このレンズを大いに推薦する。

 

光学性能は5点満点中4点で、このクラスのレンズとしては非常に高い評価となっています。解像力は開放から四隅まで良好で色収差も少なく、レンズの大きさや価格を考えると、かなりがんばっていると言ってもよさそうです。ePHOTOzineのレビューで問題を指摘されていた周辺光量落ちも、フルサイズでこの程度の値なら、それほど悪くはないですね。