シグマ35mm F1.4DG HSMはこれまでテストした35mm F1.4の中で最高の性能

LensTip に、シグマ35mm F1.4DG HSMのレビューが掲載されています。

Sigma A 35 mm f/1.4 DG HSM

  • フォーカスリングはとても幅が広く、心地良い感触のゴムで覆われている。フォーカスリングは十分な重さがあり、スムーズに回転する。残念なことにフォーカスリングの回転角は90度で、大口径レンズなので、正確なピント合わせにはもう少し回転角が大きいほうが良かった。ちなみに、ニコン35mm F1.4の回転角は120度だ。
  • 解像力テストは、1Ds Mark III でRAWで行なった。良像の基準は30-32lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は、これほど素晴らしい値はとても久しく見ていない。このクラスのレンズの多くは開放の解像力に問題があるが、シグマは開放で39lpmmの驚くべき結果を残している。絞った時には47lpmmの実に素晴らしい値に達する。これは、これまでの記録を破るレベルだ。
  • 中央の解像力は、開放ではシグマはライバル(ツァイス、ニコン、キヤノン、ソニー、サムヤンの35mm F1.4)を全く相手にしていない。絞ったときは、ツァイスは相手になり得る結果(シグマと同じ47.4lpmm)だが、他のライバルはシグマに負けている。
  • APS-Cの周辺部の解像力は中央ほど露骨なものではないが、開放で31lpmm近くに達しており、それでもなおライバルよりも優れている。絞ると改善はするが、それほど大きく飛躍はしない(38lpmm前後)。ここではシグマのピークの解像力は、ツァイスとサムヤンよりも低い。
  • フルサイズの周辺部もAPS-Cの周辺部と似たような性能で、開放では十分に実用的な画質ではないが、良像の基準に近い値(28lpmm前後)で、ライバルよりは良好な値だ。
  • 軸上色収差は多くの低分散レンズによって、非常によく補正されている。倍率色収差も同様で、APS-Cでもフルサイズでも絞りにかかわらず「無視できるレベル」または「低いレベル」に保たれている。色収差は、シグマがニコンとツァイスに優っているが、サムヤンとは同程度だ。
  • 歪曲はAPS-Cで-0.59%のタル型、フルサイズで-1.09%のタル型で、シグマが我々のテストした全ての35mm F1.4の中でベストだ。これは本当に賞賛に値する性能だ。
  • 周辺光量落ちは、フルサイズでは66%(-3.16EV)の恐ろしいほどの値で、キヤノンは更に悪いが、ニコンとツァイスはこれより若干良く、サムヤンとソニーはずっと良い。絞ると改善し、F2では44%(-1.69EV)になる。F2.8では24%(-0.79EV)で、周辺光量落ちはまだ目立つ。F4では15%になり気にならない値になる。
  • 逆光耐性はとても満足のいくものだが、かなり絞る(サンプルではF8)とフレア・ゴーストが発生し始める。これはAPS-Cでは目立たないが、フルサイズではより顕著になる。ここではシグマはツァイスとソニーよりも若干優れているが、ニコン、キヤノン、サムヤンよりは悪い。逆光耐性は、ライバルと比べて他のカテゴリほどは優れてはない。
  • AFはノイズレスだ。AF速度は状況によってで、最短から無限遠では1秒かかるが、小さな動きの場合は0.6-0.7秒に短縮される。ここでは、ニコンはシグマより遅く、キヤノンは2倍速い。スタジオテストでAFを外したのは2.5%で、これは非常によい結果で、AF精度に問題は全くない。
  • シグマ35mm F1.4はこれまでテストした35mm F1.4の中で最廉価なレンズだが、解像度・歪曲・色収差・コマ収差のカテゴリで最高の性能で、非点収差とAF精度もとても良好だ。これ以上付け加える必要なないと思う。
  • 良い点: スタイリッシュで良質な鏡筒、中心部の驚くべき画質、周辺部の良好な画質、軸上色収差がわずか、倍率色収差の補正が素晴らしい、歪曲がこのクラスで最も少ない、コマ収差が良く補正されている、非点収差が穏やか、静かで効率的なAF、付属品が豊富、コストパフォーマンスが素晴らしい。
  • 悪い点: 周辺光量落ちが非常に大きい。

 

テストの結果は解像力を含む多くの項目でライバルに優っており、シグマは比較的安価なレンズにもかかわらず素晴らしい光学性能ですね。唯一のウィークポイントは開放時の周辺光量落ちが大きいことですが、絞った時の改善は比較的速い(F2でニコンやソニーと並ぶ)ので、開放を多用するのでなければそれほど問題はなさそうです。