ニコンはデジカメの販売台数で3位になる見通し

日経新聞に、ニコンのカメラ事業の現状と今後の展望に関する記事が掲載されています。

ニコン、カメラ3位転落の苦悩

  • ニコンの代名詞であるカメラ事業が揺らいでいる。デジタルカメラの販売台数シェアでソニーに抜かれ、2020年3月期は100億円の赤字(前期は220億円の黒字)と現在の事業区分になって初の営業赤字に転落する見通し。
  • 2020年3月期の連結純利益は前期比74%減の170億円と従来予想から250億円引き下げた。主因は220億円引き下げたカメラ事業だ。
  • 特に響いたのが、ミラーレスカメラの出遅れだ。18年にようやく本格参入した時にはすでに先行勢が市場を抑えており、ソニーはレンズも含む豊富な製品群で囲い込んでいた。デジカメの販売台数は長らくキヤノンに次ぐ2位の座を守ってきたが、今期の各社の計画ではそのソニーに抜かれる見通しだ。

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  • ニコンはもともと競合のキヤノンに比べてカメラ事業の利益率が低い。キヤノンのカメラ関連事業の営業利益率が18年度までの5年間で平均14%なのに対し、ニコンは9%。キヤノンはほとんどの部品をグループで内製していることや高い生産技術で原価率が低い。損益分岐点が高いところに、販売台数減で売り上げが減少し、一気に収益が悪化した。
  • 止血策として今期と来期に合計100億円程度を投じて構造改革を進める。ミラーレスもプロや趣味用途の客層に集中する。従来の高級機2種に加え、22日には中級の「Z50」を発売。レンズも含めてラインアップの拡充を急ぎ、収益を確保する。

 

ニコンはカメラの販売台数でソニーに抜かれて3位になる見通しということで、カメラ事業はかなり厳しそうですが、グラフを見る限りでは、ソニーもキャノンも右肩下がりで、カメラの販売はどのメーカーも厳しそうです。

今後のミラーレスの戦略としては、プロやハイアマ向けの製品に注力するということなので、やはり他社同様に、ミドルレンジから上の製品が中心になりそうですね。