キヤノン EF-S18-135mm F3.5-5.6 ISは魅力のあるレンズとは言えない

PhotozoneにキヤノンEF-S 18-135mm F3.5-5.6 ISのレビューが掲載されています。

Canon EF-S 18-135mm f/3.5-5.6 IS - Lab Test Report / Review

  • 多くの高倍率ズームの典型で歪曲は18mmで4.2%の極めて大きなタル型。24mmでは歪曲は0.7%(タル型)とかなり小さくなり、それ以上の焦点域では1%前後の穏やかな糸巻き型
  • 周辺光量落ちは18mm開放で1.67EV、70mm開放で1.02EV、135mm開放で1.2EVでそれぞれかなり大きな値。問題を避けるために通常は少し絞るべき
  • 解像力は中央部は概ね問題はなくズーム全域で高い値だが、周辺部の画質は違う。18mmでは、四隅の甘さが顕著なので開放で使用するのは避けるべき。F5.6-F8まで絞れば四隅まで良好な描写になる
  • 35mmでは画面全体で良好な画質だが、70mmと135mmでは再び周辺部の画質が非常に悪化する。F8-F11まで絞れば改善はするが、四隅の画質はかなり悪いまま
  • 色収差は高倍率ズームとしては良好に補正されている。問題は最も色収差が目立つ18mmで1.2-1.5px。それ以外の焦点距離&絞りでは若干低くなり1px前後
  • EF-S18-135mmは、EF-S18-200mmよりは若干よいレンズかもしれないが、正確にはどちらも良いレンズとは言えない。解像力はジェットコースターのように変化し、18mmとズーム中間域から上では、周辺部が明らかに甘いので絞り開放付近を使うのは避けるべき
  • 魅力があるレンズとは言えず、このレンズがEOS 50Dよりも更にレンズに高い性能を要求するEOS 7Dとセットで販売されている(※日本国内では7Dとのセット販売はありません)のは本当に驚きだ

 

光学性能(Optical Quality)の評価は5点満点で2点と、最新のレンズとしてはかなり低い点数になっています。

MTFのグラフを見ると、望遠側での周辺部の解像力が非常に低く、特に70mmと135mmでは最近のレンズではあまり見ないような低い値です。便利ズームとは言っても最新のレンズなので、性能的にはもう少しがんばって欲しいところですね。

同時に発売されたEF-S15-85mmのほうは、かなり優秀なレンズのようなので、キヤノンとしては画質にこだわるユーザーには、こちらのレンズを使って欲しいということでしょうか。