ツァイス Planar T* 50mm F1.4はフルサイズでは周辺部の解像力がウィークポイント

Photozoneに、ツァイス Planar T* 50mm F1.4のフルサイズ機(5D Mark II )でのレビューが掲載されています。

Zeiss ZF (ZE) Planar T* 50mm f/1.4 (on Canon EOS) - Lab Test / Review

  • 総金属製の鏡筒の作りは素晴らしく、溝の刻まれたフォーカスリングはしっとしとした極めて良好な感触。ピント位置によってレンズはわずかに繰り出すが、前玉は回転しない
  • 歪曲は1.5%のタル型で、小さい~中程度の大きさ。周辺光量落ちは、F1.4では非常に大きい(-2.03EV)。問題はF2でも周辺光量落ちが目立つ(-1.23EV)ことで、問題を緩和したいならF2.8かそれ以上に絞るべきだ
  • 中央部の解像力はF1.4から説得力があるものだが、周辺部と四隅の解像力はよくない(poor)。F2.8まで絞ると状況は変わり、周辺部の解像力は"とても良い(very good)"まで跳ね上がるが、四隅はそこそこのレベル。F4まで絞ると、中央部はズバ抜けた解像力(outstanding)になり、四隅も"とても良い(very good)"のレベルに到達する
  • 倍率色収差は、1ピクセル前後で非常によく補正されており、近くで観察すれば見えるかもしれないが通常は問題にならない
  • ハイライトのボケは、F1.4では若干の輪郭線が見えるが、F2以上絞ると非常にスムーズになる。ボケは極めてスムーズだが、周辺部では開放付近でいくらかうるさくなる
  • 数年前にこのレンズをAPS-C機でテストしたときの結果は、真に素晴らしいものだった。しかし、フルサイズ機でのテスト結果は、実際のところ求められている性能に若干届いていない。中程度まで絞ると疑いなく卓越した性能になるが、F1.4とF2での周辺部・四隅の性能は残念なものだった。価格が高いので、このようなクラシックレンズを切望している人に向いている

 

開放付近で周辺部の解像力とコントラストが低いためか、光学性能の評価は5点満点で2.5点と、高価な単焦点レンズとしてはかなり厳しい評価になっています。しかし、中央の解像力はMTFのグラフが天井に届くほどの高さですし、周辺部の解像力も絞れば十分な値に達するので、風景などにも十二分に対応できそうです。

MTFの数値中心の評価だと、レンズの"味"の部分に関しては点数にならないのが、このタイプのレンズにとっては少々辛いところかもしれませんね。