ニコンAF-S 24-120mm F4G VRは70~85mmの周辺部の画質が問題

SLRGearに、ニコンAF-S NIKKOR 24-120mm F4 ED VRのレビューが掲載されています。

Nikon 24-120mm f/4G ED VR AF-S Nikkor (Tested)

  • APS-C(D300S)では、24mmでは絞り開放から既に非常にシャープで、中心はちょうど1 blur units(不鮮明さを表す数値で小さいほどシャープ)、周辺部は1.5 blur unitsを下回る。24mmでは絞っても解像力は高くならず、F4がベストで絞るとゆっくりと性能が低下する。中間域(28mm-50mm)でも同じような性能だが、若干解像力が向上する。
    70mm以上ではいくらか問題があり、70-120mmの間だとF4では周辺部が3-4 blur unitsと極めて甘くなる。最も悪いのは85mmで、このとき周辺部は5-6 blur unitsになるが、1段絞れば問題は解消し、広角側と同じような素晴らしい性能になる。望遠端の120mmでは中間域よりも少し性能は良くなる。
  • フルサイズ(D3X)では周辺部の問題はさらに大きくなり、広角~中間域では絞れば良好な性能だが、開放では性能がでない。5.6まで絞れば周辺部の甘さは抑えられ、画面全域で1-2 blur unitsの間に収まる。望遠端も開放では問題があり、中央の小さい範囲だけがシャープで、その周辺の部分は6-8 blur unitsで極端に甘い。ここでもF5.6まで絞れば劇的に改善し、中央は1.5blur units以下、周辺部は2-3blur unitsになる。解像力はいくつかの弱点があるが概ね素晴らしいものだ。
  • 色収差は、絞りを開いたときの値は予想よりも大きい。ハイコントラストの場面では、特にマゼンタ/ブルーの色ズレが周辺部に目立つ。ズームの中間域や、絞りを絞った場合では色収差は減少する。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは問題はない。フルサイズでは24mm F4で1.25EVで目立つ。28-120mmでは1/2~2/3EVと周辺光量落ちは少なくなる。35mm以上ではF8まで絞れば解消するが、24-28mmでは絞っても常に周辺光量落ちが残る。
  • 歪曲はフルサイズでは24-30mmで+1.3%のタル型で小さいとは言えない。歪曲は30mmで最小になり、望遠側(50-85mm)では-1%の糸巻き型になる。
  • AFは実質的に無音で、電光石火ではないがまずまず速く、無限遠から最短までは1秒前後。AF後はフルタイムマニュアルフォーカスが可能。前玉は回転しないので、偏光フィルターの使用は容易。マクロ性能は良好で0.24倍までの接写ができる。
  • 鏡筒の大部分はポリカーボネートプラスチック製で、サイズから予想されるよりも軽量になっている。VR II はとても有効で、およそシャッター3.5段分の効果。
  • 旧型のニコンAF-S 24-120mm F3.5-5.6G VRとの比較では、旧型は非常にシャープとは言えないが、新型にある70-85mmの甘さがなく、(解像力は)より一貫している。
  • ニコンAF-S 24-70mm F2.8との比較では、24-70がよりシャープで、他のテスト項目でもいくらか良好な性能だ。しかし、色収差は24-120mmが若干優れている。
  • シグマ24-70mm F2.8 EX DGとの比較では、APS-Cでは同じ絞り値ではシグマがよりシャープだが、フルサイズではシグマは周辺部の甘さがより顕著。しかし、ニコンのような70-85mmの甘さはなく、シグマのほうが解像力に一貫性がある。
  • ニコンは素晴らしいフルサイズ用のキットレンズを作った。このレンズは多くのテストで素晴らしい成績だが、70-85mm開放で極めて甘くなるのが大きな問題だ。

 

広角側は5倍ズームとしてはとても良好な性能ですが、中間域よりも望遠側では絞り開放で周辺部がかなり甘くなるのが気になるところです。ただ、1段絞ると驚くほど解像力が向上するので、開放を多様するのでなければそれほど問題はないかもしれませんね。