シグマAPO120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSMは際立った性能ではないが楽しめるレンズ

Photozoneに、シグマAPO 120-400mm F4.5-5.6 DG OS HSMのフルサイズ機でのレビューが掲載されています。

Sigma AF 120-400mm f/4.5-5.6 HSM DG OS - Full Format Review / Lab Test Report

  • 鏡筒はいくつかのプラスチック部品と組み合わされた金属製。このレンズはEXシリーズではないが、造りはEXと同じくらいハイレベルだ。レンズは極めて大きく、望遠端にズームすると大幅に伸びる。ズームリングとフォーカスリングはかなり固いが、安心感がある。前玉は回転しない。
  • HSMによるAFは(位相差AFでは)高速だが、コントラストAFでは平均的な速度。AFは無音に近いがOSは作動音がする。
  • 歪曲はズーム全域でごくわずかな糸巻き型(0.21~0.55%)で、これはこのタイプのレンズとしては素晴らしい。周辺光量落ちは、絞り開放で0.9-1.2EVで比較的穏やか。1段から1段半絞れば、問題は無くなる。
  • 120mmでは中央の解像力はとても良い(very good)が、周辺部と四隅はF4.5とF5.6では甘い。F8では周辺部は良い(good)の値になるが、画面全体をきちんとした画質にするにはF11まで絞るべきだ。200mmでもほとんど同じ状況だが、F8まで絞れば比較的均一な解像力になる。400mm開放では中央の解像力が落ちるが、F8まで絞ればとても良い(very good)のレベルまで改善する。周辺部と四隅はすべての絞りで良い+α(good+)のレベルになる。通常はワイド側の方が高性能と予想すると思うが、このレンズはワイド側がそれほど良くない。
  • 倍率色収差は、平均1ピクセルを下回っており、概ねとても良く補正されている。通常、実写では心配はない。
  • 超望遠ズームのボケ味は月並みであることが多いが、このレンズのボケも素晴らしくはない。ハイライトのボケはうるさく、同心円状の模様がでる。ハイライトの形は中央では円形だが、周辺部と四隅では猫の目状になる。絞るとハイライトの形は円形になるが、絞りの形が出てしまう。前ボケはかなりうるさいが、後ボケはよりスムーズだ。
  • このレンズは華々しい性能ではないが、比較的きちんとした性能のレンズだ。中央の解像力は概ね良好だが、周辺・四隅の解像力はワイド側ではそこそこの性能。AFはキヤノンのEF100-400mmと同じくらい良好。OSはとても効果的だが作動音がやや大きい。際立った光学性能ではないが、価格の割にはかなり楽しめるレンズだ。

 

光学性能の評価は、5点満点で2~2.5点とやや低めの評価となっています。テレ側で全体的に解像力が落ちるのは、他の望遠ズームでも同じような傾向なのであまり問題はないと思いますが、ワイド側で周辺部の解像力が極端に落ちるのは少々気になるところです。

とはいえ、以前ASCII に掲載されたキヤノンEF100-400mmとの比較レビューではかなり健闘している印象だったので、個人的には、このレンズはもう少し高い評価でもいいような気がします。