トキナーAT-X 16-28 F2.8 PRO FXは純正を相手に善戦している

Photozoneに、トキナー AT-X 16-28 F2.8 PRO FXのフルサイズ機(5D Mark II )によるレビューが掲載されています。

Tokina AT-X 16-28mm f/2.8 Pro SD FX (EOS) - Full Format Review / Lab Test Report

  • 鏡筒の造りはハイクオリティ。合焦はインナーフォーカスで前玉は回転しないが、フィルターは装着できない。ズーミングで内側の鏡筒は少し動くが、固定式フードがあるため全長は変わらない。フォーカスリングはスムーズだが、一方でズームリングは固い。
  • 新しい「サイレントDCモーター」によるAFは、高速で比較的静か(無音ではないが)で、AF精度も高い。しかし、コントラスAFは苦手で、迷うことが多かった。AFとMFはフォーカスリングを押す・引く操作で切り替えられるが、これはフルタイムマニュアルフォーカスほど便利ではない。
  • このレンズは、超広角としては歪曲の問題は比較的少ない。歪曲は16mmでは-2.43%の中程度~大きいタル型だが、もっと悪いレンズもある。20mmでは1.4%と大きく改善し、24mm(0.6%)と28mm(0.1%)では全く問題はない。望遠側の歪曲は少し波打っているので、歪曲の補整は容易ではない。
  • 周辺光量落ちは16mm F2.8で1.6EV前後で、例えば、キヤノンのEF16-35mm F2.8Lよりも1EV良好だ。 16mmではF5.6、他の焦点距離ではF4まで絞れば問題は解消する。これは、このクラスとしては、素晴らしい出来映えだ。
  • 中央は16mmと20mmでは開放から極上の解像力(superb)で、F4~F8に絞ればズーム全域で素晴らしい解像力になる。周辺部は開放から良い(good)~とても良い(very good)の解像力だが、四隅は甘い。四隅はF4で大きく改善するが、とても良い(very good)に達するのはF5.6以上だ。このレンズの解像力には良い部分と悪い部分があるが、実写で一般的に使う絞り値を考えれば、とても素晴らしい解像力だ。
  • 倍率色収差は開放では平均で1.6ピクセル前後の中程度の値で、中間絞りでは1ピクセル前後。色ズレは見えるかもしれないが、超広角レンズとしては極めて良好だ。
  • 残念なことに、ニコン用もキヤノン用も偏芯が見られた。これは正直、厄介な問題で受け入れられない。品質管理をしっかりして欲しい。これはトキナーだけではなく他社も同じで、シグマ8-16mmは3本もテストしている!
  • 16-28mmは高性能な超広角ズームで、キヤノンのEF16-35mm F2.8L II を相手に善戦している。開放での四隅の描写は甘いが、中央は素晴らしい画質で、周辺部も概ねシャープだ。周辺光量落ちと歪曲も良好に補整されており、色収差も少し絞れば問題ない。鏡筒の造りは、防塵防滴が無いことを以外はプロレベルだ。AFも相当進歩している。品質のバラつきの件を脇に置けば、間違いなく目を向ける価値のあるレンズだ。

 

光学性能は5点満点で3点と、標準的な評価になっています。開放では周辺部が少し甘いようですが、絞ったときの解像力は相当に高いので、風景などの撮影では問題はなさそうです。歪曲や周辺光量落ちが比較的抑えられているので、超広角としては使いやすそうです。

偏芯などの問題に関しては、レンズメーカーだけでなく純正でもあることですが、新しく購入したレンズが片ボケしていたりすると色々と面倒なので、この点はなるべく改善して欲しいですね。