タムロンSP70-300mm F4-5.6 Di VC USDはズーム全域で良好なコントラスト

Photozoneに、タムロンSP70-300mm F4-5.6 Di VC USDのフルサイズ機(5D Mark II )によるレビューが掲載されています。

Tamron AF 70-300mm f/4-5.6 SP Di VC USD - Full Format Review (Canon EOS)

  • 鏡筒の造りはキヤノンのEF70-300mm F4-5.6L には敵わないが、それでも良好な造りだ。鏡筒は金属製のマウントと、極めてハイクオリティなプラスチックから出来ている。望遠側にズームすると内側の鏡筒が繰り出すが、300mmでさえグラつきは全くない。ズームリングとフォーカスリングはスムーズに回転する。前玉は回転しないので、偏光フィルターの使用は容易だ。
  • 超音波モーターによるAFは高速だが、コントラストAFでは平均よりも若干遅くなる。作動音はほとんどしない。AF精度は良好。手ブレ補正(VC)の効果は公称4段分だが、実写では2.5段に近い効果。
  • 歪曲は70mmではわずかなタル型(-0.473%)、望遠側では中程度の糸巻き型(300mmで1.64%)で、これはこのクラスでは標準的だ。
  • 周辺光量落ちは1.1-1.2EV前後で比較的よく補正されている。1段絞れば、実写ではほとんど問題は無くなる。
  • 70mmでは中央の解像力は素晴らしい(excellent)が、一方で周辺部と四隅の解像力は良い(good)ととても良い(very good)の境界線上で、これは200mmでも同様だ。300mmでは若干解像力は下がるが、それでもなお中央はとても良い(very good)解像力。コントラストは300mm開放でもパンチが利いていて、これが、このクラスの安価なレンズと比べた時との明らかな違いだ。このレンズの解像力はとても良好だが、際立っているわけではない。
  • 色収差は70-200mmでは1ピクセル未満、300mmではピークで1.3ピクセル前後で、良好に補正されており、問題はない。
  • ボケはハイライトにはっきりとした輪郭線があり、シチュエーションによってはうるさくなる。ハイコントラストの部分ではエッジの描写がかなりきついが、これらの状況を避ければ、綺麗なボケを得ることも可能だ。
  • このレンズの素晴らしい点は、300mmを含めたズーム全域でコントラストがとても高いことだ。問題は、直接の競争相手であるキヤノンのEF70-300mm F4-5.6 IS(非L)を上回っているのか、少なくとも同等なのかということだ。光学性能は近いが、若干タムロンが有利だ。AFと造りのクオリティでは明らかにタムロンが上で、タムロンの方が少しお買い得。

 

光学性能の評価は5点満点で2.5~3点(キヤノンのEF70-300mm IS 非Lと同じ)で、評判の割りにはPhotozoneでの評価はやや低目という印象です。

解像力は中央はとても良好ですが、ワイド側の周辺部がやや低目の値になっていて絞ってもほとんど改善しないのが若干気になるところです。とはいえ、コントラストが高いせいか、サンプルでは解像力のグラフから受ける印象よりも、ずっと高画質なレンズのように感じます。