ペンタックスK-r はとても優れたカメラだがK-xの時ほどエキサイトしない

dpreviewに、ペンタックスK-r の詳細なレビューが掲載されています。

Pentax K-r Review

  • 6コマ/秒の連写はこのクラスで最も速いものの1つで、連写速度が速いだけでなくバッファーの容量も十分(JPEGで29枚)で、バッファーが一杯になっても、妥当な速度で連写を続けることができる。エントリーレベルのカメラで連写速度重視なら、K-rが有力候補になるはずだ。
  • AF性能はK-xとほとんど同じで、ボディ内モーターを使うキットレンズでは、ライバルと比べると若干遅く作動音も大きいが、その差はわずか。AF精度は明るい場所では正確で問題ないが、暗所やコントラストの低い被写体では遅くなり、しばしば迷うことがある。しかし、これは許容範囲内であり、直接のライバルたちと互角の性能だ。
  • 手ブレ補整は公称4段分の効果だが、実写テストではそれほどの効果はなく、1段分と2段分の間だった。非常に遅いシャッター速度ではもう少し効果が高くなる。
  • 動画はMotion JPEG形式で非常にファイルサイズが大きく時代遅れ。多くのライバルと異なり、ダイレクト録画ボタンがなく、録画の前にモードダイヤルを回転させる必要がある。
  • JPEGでの高感度ノイズは2009年にベストの性能だったK-xとほとんど同じで、全く悪くはないが、2009年とは状況が変わっていて、Kiss X4/X5やNikon D3100のようなライバルもより高解像度のセンサーで同程度の暗所での性能を実現している。RAWではライバルと比べてかなり良い結果で、D3100やα55、Kiss X4などの高解像度のセンサーよりもよりノイズは少ない。
  • K-r のJPEGでの画質はディテールは良好で色再現も好ましいが、RAWでもディテールの増加はほとんどない。高感度は非常に良好だが、K-xの時と比べるとより高画素のライバルに差を縮められている。とは言うものの、K-r はノイズリダクションとディテールの維持のバランスが高感度に至るまでとても良好だ。
  • (画質には)いくつかのネガティブな点もあり、K-r はハイライトが飛びやすく、ハイコントラストのシーンでの露出オーバーの傾向がこのことを更に悪化させている。RAWではある程度緩和されるが、K-r はRAWのヘッドルームが比較的少なく、多くのハイライトのディテールを回復することはできない。ベストの解決方法は、撮影時に2/3EV程度マイナスの露出補正をすることだ。オートホワイトバランスは人工光下では良好とは言えず、曇天でも青みがかる。
  • K-r はとても優れたカメラで、高感度までしっかりした画質とクラス最高の連写性能を実現している。K-r にK-xほどエキサイトしない唯一の理由は、K-r はK-xから多くの基本的な仕様を引き継いでいて、ライバルはK-xのころより進歩しているからだ。K-r 以外のライバルを選択するべきとは言わないが、ライバルが強い現在の状況では2009年時のK-xのようには簡単にK-r を選べない。

 

総合評価は71%とAPS-C機としてはやや低い点数となっていますが、これはライバルと比べてセンサーが1200万画素のままであることや、フルHD動画が採用されていない点などから、レビュアーがエキサイティングではないと感じたためのようです。

確かにK-r にはカラバリを除けばあまり派手な部分はありませんが、要望の多かったスーパーインポーズの追加や、連写速度の向上、液晶やAFの改善など地道なブラッシュアップが図られたなかなか良いカメラではないかと思います。あと、評価の高いK-5の存在もK-r をやや地味に感じさせる一因かもしれませんね。