ソニーT* 24-70mm F2.8 ZA SSMは中央は素晴らしい解像力だが四隅が甘い

photozoneに、ソニーのVatio-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSMのフルサイズ機(α900)でのレビューが掲載されています。

Zeiss Vario-Sonnar T* 24-70mm f/2.8 ZA SSM (Sony SAL-2470Z) - Review / Lab Test Report

  • レンズは少々驚くかもしれないが総金属製ではなく、内側の鏡筒は金属製だが、外側の鏡筒にはプラスチックのパーツを多用している。残念なことにこのレンズは一切のシーリング(防塵防滴対策)をしていない。ズームリングは若干固いが、フォーカスリングはスムーズだ。ズーミングで鏡筒は伸びるが、インナーフォカスなのでピント合わせで前玉は回転しない。
  • SSMによるAFは、非常に速く、ほとんど無音でとても正確だ。よくない部分はフォーカスリングの回転角が比較的小さいことで、これはAFの高速化のためだが、MFでのピント合わせをかなり難しくしている。
  • 歪曲はワイド端で-2.6%の極めて強いタル型で、これはこのタイプのレンズではおおよそ予想通り。40mmでは歪曲は基本的になく、70mmではわずかな糸巻き型(0.71%)になる。
  • 周辺光量落ちは広角端の開放ではかなり大きく(-2.33EV)、実写で容易に目に付くだろう。F4に絞ると40mm、70mmでは問題は解消するが、24mmではF8まで絞ってもいくらか(-0.9EV)周辺光量落ちは残る。全体としては、周辺光量落ちは平均よりもいくらか悪い。
  • 解像力は中央部はズーム全域で息を飲むような値だが、周辺部と四隅の解像力はそれほど良くはない。周辺部は24mm F2.8でもかろうじて良好な値だが、四隅は甘く、絞ってもゆっくりとしか改善しない。像面湾曲の問題もいくらかあり、画面全域で"とても良好(very good)"な解像力にするにはF8(F11のほうがベター)まで絞る必要がある。40mmでも開放では四隅が甘いが、F4まで絞れば、素晴らしい解像力になる。70mmでは開放では周辺部に甘い部分があるが、F4で解消し、"とても良い(very good)"のレベルを維持している。
  • 倍率色収差は広角端で1.5ピクセルで、望遠側に行くに従って小さくなる。倍率色収差は概ねとてもよく補整されている。軸上色収差は良好で、F2.8でさえ、わずかな痕跡があるのみだ。
  • ボケはハイライトにかなり縁取りが見られる。コントラストの強いエッジは柔らかなエッジに比べてより(ハイライト部分の)光輪が出やすくなる。 これには少々がっかりした。後ボケは非常にうるさいが、前ボケは良好だ。
  • このレンズはAPS-Cのテストでは卓越した性能を見せたが、フルサイズではそれほど良くはない結果だ。中央は際立っているが、24mmの中間絞りでの四隅の画質にはがっかりした。しかし、40mmでは非常にシャープで70mmでも良好だ。ボケ味はよくはなく、ユーザーによっては問題になるかもしれない。鏡筒の造りと、SSMによるAFは素晴らしい。欠点のあるレンズだが、α用のより優れた選択肢を見つけることはなかなかできないだろう。

 

光学性能の評価は5点満点で3点で、このクラスのレンズとしては若干低い評価になっています。中央の解像力は際立って優秀ですが、フルサイズでは四隅の解像力が低く、広角端では絞ってもあまり改善しないので、用途によっては少し使いにくいと感じることもあるかもしれませんね。