シグマ12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMは旧型から改善されているが期待していたほどではない

LensTipに、シグマの超広角ズーム「12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM」のレビューが掲載されています。

Sigma 12-24 mm f/4.5-5.6 II DG HSM

  • ズームリングは適度な重さがあり、スムーズに回転する。フォーカスリングも適度な重さがありスムーズ。回転角は135度で、正確なピント合わせが可能だ。 
  • 解像力テストは、ニコンD3XでRAWで行った。中央の解像力は、旧型と対照的にどの焦点距離でも開放からしっかりしているが、絞った際にあまり解像力が上がらない点は残念だ。絞ったときの最高の解像力は、旧型と同程度のレベル。
  • 周辺部の解像力はAPS-Cでは、ズーム全域で基準となる値(30-31lpmm)にとても近いレベルだが、旧型からの改善は見られない。フルサイズでは絞った後でさえ、(どの条件でも)基準値には達せず、ここでは価格を考慮に入れると平均かそれ以下の結果だ。
  • 軸上色収差の補正は完璧ではないが、深度が深いので大きな色付きは見られない。倍率色収差は、問題が大きかった旧型と比べると明確な改善が見られるが、ワイド端では0.20%と非常に大きく、完璧というにはほど遠い。
  • 歪曲はAPS-Cでは12mmで-0.45%、24mmで1.57%で、旧型よりも若干悪くなっているが、画角を考えればとても良好な結果だ。フルサイズではワイド端では-2.67%の顕著なタル型、望遠端で2.13%の目に付くレベルの糸巻き型で、問題がある。重要なことは、歪曲が(後処理で補正がしにくい)陣笠状であることだ。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは12mm開放で41%(-1.54EV)、18mm開放では37%(-1.34EV)、24mm開放では31%で、あまり良好な性能とは言えない。フルサイズでは12mm開放で59%(-2.59EV)、18mm開放で52%(-2.10EV)、24mm開放で45%(-1.72EV)で、周辺光量落ちは相当に大きな問題だ。
  • 逆光耐性は、サンプルで見られるように実に大きな問題だ。フレアは、全焦点距離でどのような絞り値でも発生する。
  • AFはノイズレスでかなり速い。最短から無限遠までは0.5-0.7秒の好結果。深度が非常に深いのでAF精度のテストはほとんど不要だが、スタジオ内では全くAFのミスは発生しなかった。また、前ピンや後ピンの傾向も無かった。
  • 魚眼以外でこのような広い画角が必要なら、このレンズが唯一の選択肢だ。旧型に比べると性能は改善しているが、改善の度合いはあなたが期待していたほど大きくはないだろう。多くのニコンユーザーは、もう少しお金を出して、画角は少し狭いが光学性能はずっと優れているニッコールの14-24mm F2.8を買うかもしれない。

 

光学性能は旧型に比べると全体的に一回り良くなっているようですが、歪曲だけは旧型のほうが良く補正されているようなので、用途によっては必ずしも新型が良いとは言えないかもしれませんね。

光学性能はニコンの14-24mm F2.8には及ばないようですが、シグマはずっとリーズナブルな価格で、しかもフルサイズ用の広角ズームとしては唯一12mmスタートなので、これはこれで十分魅力的なレンズではないかと思います。