キヤノンPowerShot G1 X は素晴らしいカメラだが万人向けではない

dpreviewに、キヤノンPowershot G1 X の詳細なレビューが掲載されています。

Canon PowerShot G1 X Review

  • AFは正確だが、競合するいくつかのミラーレス機(パナソニックGX1や最新のPENのような)ほど速くはない。シャッター半押しからロックまでには明らかな遅れがある。望遠側と暗所ではAFは更に遅くなり、しばしば迷いが生じる。
  • 最短撮影距離は、広角端では40cm、望遠端で1.3mで問題がある。換算50mmでは最短撮影距離は既に1.1mで、ポートレートのクローズアップやテーブルフォトではマクロモードに切り替えなければならない。マクロモードでは寄れるようになるが、AF速度は更に低下する。G1 Xで様々な被写体と撮ろうとすると、頻繁にマクロモードと標準モードを切り替えなければならない。
  • JPEGの高感度は、ノイズリダクションとディテールの維持のバランスが際立って良好で、ISO1600まではそれほどノイズの心配をする必要はない。ISO3200ではディテールの喪失がより顕著になるが、とは言え、まだピクセル等倍で見たときの話だ。色ノイズは極めてよく抑えられているが、ISO6400からは色ノイズが目立ち始める。全体としてJPEGの高感度性能は、EOS 7DやKiss X5よりも優れている。RAWでは7DやKiss X5と同等の結果なので、これはJPEGエンジンの改善によるものだ。
  • RAWの高感度もとても良好で、このクラスのカメラとしてはノイズレベルは低く、おおまかに言ってEOS 7Dと同レベルだ。
  • 画質はとても良好で、現行のキヤノンのAPS-C機(7Dと60D)に近い。とは言っても、絵作りはコンパクトカメラのもの(彩度がとても高い、コントラストが強い、白飛びしやすい)で一眼レフのものではない。
  • 解像力は、JPEGでは2400l/ph前後まできちんと解像しており、JPEGエンジンはとてもしっかりとしている。偽色は少ないが若干モアレが出ており、これはローパスが薄いことを示唆している。RAWでは若干ディテールが豊富になるが、偽色が多くなる。とは言え、実写では問題はない。解像力は、14MPのカメラとして期待通り。
  • ダイナミックレンジはDR拡張OFFでは、ハイライト飛び方が少し急激で、このクラスのいくつかのカメラよりも1/2段狭い。
  • G1 X 素晴らしいカメラだが万人向けのカメラではない。遅いAFや寄れないこと、動画のマニュアルコントロール機能の欠如などの欠点を承知して使うなら、素晴らしい画質が得られ、汎用性のあるズームによって、交換レンズを持ち歩く必要がなくなるだろう。後継機ではいくつか改善の余地があるが、制限に対処しつつ使うことができるユーザーには、パワフルな写真ツールになるだろう。それゆえ、銀賞を送りたい。

 

総合評価は76%とコンパクトカメラとしてはトップで、レンズ交換式のAPS-C機と比べても同程度の評価となっています。特に画質に関しては大型センサー+Digic5の威力で、かなりハイレベルなようですね。

ウィークポイントは、他のレビューと同様、AFと最短撮影距離が指摘されているので、AF速度重視の方やよく接写をする方は、他のカメラを検討したほうがいいかもしれませんね。