ニコンD800は際立った画質だが、性能を引き出すにはテクニックとよい機材が必要

dpreviewに、ニコンD800の詳細なレビューが掲載されています。

Nikon D800 Review

  • 液晶モニタは野外でも視認性は良好だが、直射日光下でギラつくのが問題。
  • 露出とオートホワイトバランスは、自然光でも人工光でも概ね満足のいくもの。色再現は極めて正確。
  • 51点AFシステムは、室内でも野外でも見事なパフォーマンスを見せている。D800の低照度下での合焦性能は素晴らしく、エントリーレベルの一眼レフから、D800に移行したユーザーなら誰でもその著しい改善に気付くことだろう。
  • コンティニュアスAFの追尾性能もとても良好で、3-Dトラッキングモードで、多くの場合で着実に合焦した。コントラストAFはがっかりするほど遅く、位相差AFとは比べ物にならない。
  • JPEGの高感度ノイズは、ISO3200まではほとんど差はなく、大まかに言ってD4や5D Mark III のような低画素機と同レベル。D800のデフォルトのノイズリダクションのセッティングはとても素晴らしく、我々は、ニコンが36MPセンサーでこのノイズ性能を達成していることにとても感銘を受けた。
  • RAWでは他のフルサイズ機よりもノイズが多いが、ISO1600まではディテールは素晴らしくよく保たれている。ISO3200とISO6400では、ノイズによってディテールがいくらか損なわれるが、まだ十分に使い物になる。超高感度ではノイズが大幅に増え、ディテールは顕著に損なわれる。ISO25600は小さなサイズのプリント用。
  • 5D Mark III と同サイズでの高感度の比較(RAW、ISO6400、室内照明、色温度2600K)では、5D Mark IIIが若干ディテールで劣っているように見えるが、差は非常に小さく、両機ともに並外れて良好な性能だ。
  • ダイナミックレンジは実質的に兄貴分のD4と同じ。ハイライトはパンチの利いた描写の5D Mark III よりも抑えられた描写で、ハイライトの飛び方は比較的おだやか。ISO50ではISO100よりも1EVダイナミックレンジが狭くなる。
  • 動画は自然な色再現で、品質は良好だ。自動露出やホワイトバランスも満足の行く結果。内蔵マイクは素晴らしく、一貫してクリアな音質。AFは非常に迷いがちなので、静物のみに使い、その場合でも録画を開始する前にピントを合わせておいた方がいい。動画のAFは改善を望む。
  • 36MPの画素数とディテールは切り札となるものだが、36MPの真の性能を引き出すためには、完璧な技術とよい機材(特にレンズと三脚)が必要だ。
  • D800はよく考えられた操作性と際立った画質で、特に高感度の画質は印象的。あなたにテクニックがあれば、35mmフルサイズ機ではこのクラス随一の解像力を得られる。
  • 良い点: このクラス最高の解像力、高感度性能(RAW・JPEG両方)、ハイクオリティなJPEG、RAWのダイナミックレンジの広さ、露出とホワイトバランスの一貫性、とてもしっかりしたボディの造り、設定変更時のレスポンスのよさ、よく考えられたアクセスの容易なメニュー、非圧縮のHD動画が出力できること、動画の機能と画質。
  • 悪い点: FXモードで連写が遅い、動画・ライブビュー時のコントラストAFが遅い、液晶モニタが新設計にもかかわらず明るい場所でギラつく傾向がある、ライブビューで記録が終わるまでブラックアウトする、キヤノンのような小さなRAWが選択できない、ISOボタンが若干使いにくい場所にある。

 

総合点は82%(金賞)でトップレベルの評価となっています。画質に関しては高感度を含めて文句無しの好成績と言ってよさそうですね。AFや露出、ホワイトバランス、操作性なども優秀で、欠点の少ないカメラという印象です。

ただ、D800の性能を引き出すためには、テクニックと良い機材が必須条件のようなので、使いこなすのが大変なカメラかもしれませんね(レビュアーはテストでかなり苦労したようです)。

あと、ウィークポイントとしては、コントラストAFの遅さが挙げられていますが、これはD800に限らず位相差AF用のレンズを使う一眼レフに共通の課題と言ってもよさそうです。