トキナーAT-X 17-35 F4 PRO FXは開放付近は甘いが絞れば非常にシャープになレンズ

ePHOTOzineに、トキナーAT-X 17-35 F4 PRO FX のレビューが掲載されています。

Tokina AT-X 17-35mm f/4 Pro FX Lens Review

  • 他のトキナーのAT-Xシリーズのレンズ同様、このレンズもとても頑丈な造りだ。鏡筒は丈夫で、とてもしっかりと組み立てられているように感じる。重さは600グラムで、この種のレンズとしてはかなり軽い。
  • AFは通常のマイクロモーターで、若干の作動音がある。AF速度はまずまず速いが、超音波モーターを採用した純正レンズほど速くはない。フォーカスリングは適度な重さがあり、マニュアルフォーカスは快適だ。フォーカシングはインナーフォーカスで、前玉は回転しない。
  • 防滴のシーリングが施されているため、レンズ着脱がかなり固く、レンズの付けはずしが少々大変だ。
  • 17mmの解像力は、開放では中央は良い(good)のレベルで、四隅はまずまず(fair)のレベルでしかない。絞ると解像力は劇的に改善し、ピークのF8では中央はズバ抜けた解像力(outstanding)になり、四隅も素晴らしい解像力(excellent)になる。
  • 24mm開放ではかなり解像力は落ち、画面全域でまずまずの値(fair)にしかならない。画質は少し霞がかかっているように見え、これはしばしば球面収差による解像力の低下の兆候だ。絞れば解像力は劇的に改善し、F8では17mmと同程度の優れた解像力となる。
  • 35mmでも同じように開放では球面収差の問題があり、中央はまずまず(fair)のレベルで、四隅はあまり芳しくない(fairly poor)レベル。絞るとF8とF11で解像力はピークに達し、F11では画面全域で素晴らしい解像力(excellent)になる。
  • 倍率色収差はズーム全域で良好に補正されており、1ピクセル以下を維持している。これは低いレベルで、大きなプリントやトリミングでも問題になることはないはずだ。
  • 周辺光量落ちは望遠端よりも広角端でより顕著で、17mm開放では2.09EV、35mm開放ではわずか0.3EVだ。17mmではF8、35mmではF5.6まで絞れば実質的に均一になる。
  • 歪曲は17mmでは3.4%のタル型、35mmでは0.226%の糸巻き型で、超広角ズームとしては非常に小さい。歪曲の形は画面全域で整っているので、後処理での補正は容易。
  • 逆光では、17mmで特に光源が隅に入った場合に若干フレアが出る傾向がある。逆光でもコントラストは良好だ。
  • もし開放付近の解像力が重要なら、たとえもっと安価だったとしても、このレンズのコストパフォーマンスは良くない。600ポンドのレンズには、開放からもっと良い性能を期待したいと思う。とは言うものの、絞ることで欠点を補うことはできる。多くの場合絞って使い、フィルターを使うなら、そして600ポンド以上の出費をしたくないなら、このレンズは貴方にとってよい選択だ。F5.6よりも絞りを開けて使いたいなら、このレンズは避けたほうがいいだろう。
  • 良い点: 絞ったときは非常にシャープ、造りのよさ、防滴のシーリング、色収差と歪曲の少なさ。
  • 悪い点: 絞り開放時の性能は今ひとつ、キヤノン純正と価格差があまりない(ニコンユーザーにはより魅力的かもしれない)。

 

開放付近は少し甘いですが、絞ったときには十分シャープになるので、絞り込んで風景などをじっくり撮るには良いレンズかもしれませんね。

光学性能だけなら同じトキナーの16-28mm F2.8のほうが優秀なようですが、17-35mm F4はより軽量・コンパクトでフィルターも使用でき、望遠端も35mmまであるので、利便性はこちらのほうがずっと高そうですね。