ソニーが今年の1月に開発が発表されていた新世代の積層型CMOSセンサーの商品化を発表しました。
・世界初、積層型CMOSイメージセンサー"Exmor RS"を商品化
- ソニー株式会社は、世界初となる、独自の「積層型構造」を採用した新開発のCMOSイメージセンサー"Exmor RS"(エクスモア アールエス)を商品化し、10月から順次出荷を開始。
- スマートフォンやタブレットなどに向けて、さらなる高画質化・高機能化・小型化を実現する、積層型CMOSイメージセンサー"Exmor RS"3モデル、及び各イメージセンサーを採用したイメージングモジュール3モデルを展開。
- Exmor RSは、裏面照射型CMOS イメージセンサーの支持基板の代わりに信号処理回路が形成されたチップを用い、その上に裏面照射型画素が形成された画素部分を重ね合わせた、独自の「積層型構造」を採用したCMOSイメージセンサー。
- 今回商品化する"Exmor RS"の3モデルは1/3.06型有効1313万画素の『IMX135』、 1/4型有効808万画素の『IMX134』、及びカメラ信号処理機能を内蔵した1/4型有効808万画素の『ISX014』。
- 従来のRGB(赤/緑/青)画素にW(白)画素を加え、独自のデバイス技術と信号処理により画質を損ねることなく感度を上げたことで、暗い部屋や夜でもきれいに撮影できる「RGBWコーディング」機能。
- 撮影時に同一画面内で2種類の露出条件を設定、そこで得た画像に適切な信号処理をすることで、ダイナミックレンジの広い画像を生成し、逆光でも色鮮やかに撮影できる「HDR(ハイダイナミックレンジ)ムービー」機能。
海外で商標登録されていたソニーの新型センサー「Exmor RS」の商品化が正式にアナウンスされました。センサーサイズは1/3.06型と1/4型で、スマートフォン等での利用がメインのようですが、RGBWやHDRムービーなどの興味深い技術が採用されているので、デジカメ用の大型センサーへの応用にも期待したいところですね。
rikken
これで、1/1.7 1200万画素なんて欲しいですね。
高倍率ズームも行けるだろうし。
ととべい
なんかよくわかりません。
従来型に比べ、何がメリットなのでしょうか??
どなたか教えてください。
きくらげ
撮影サンプルを見る限りではダイナミックレンジが狭くなってる印象を受けます。
HDRの高度化でどれだけ相殺できるかも注目ですかね。
んちゃ
次期iphoneに載るのかな?
celica
>高画質化・高機能化・小型化を実現
・・・のようですから、μ4/3、APS-C に採用されれば、フルサイズに匹敵する?画質を得ることも将来は可能性がある?かも。
そうすると、フルサイズミラーレスは、SONYに経営戦略上の一貫性がないような・・・?
飛躍し過ぎでしょうか。
Aninymous
メリット
これまでは受光部の周囲に位置していた回路を受光部に重ねたことでコンパクトになりました・・・とさ
XYZ
熱害でノイズなんて出やすくないのだろうか?
ごん
出荷予定が最長で2013年5月になっていますが、1/2.3以上は難しいのでしょうか。
ダイナミックレンジの拡大は魅力大ですが、1インチやAPSCが出来るとしても、まだ当分先になりそうですね。
べ~
W(白)画素の効果が楽しみ!
APS-Cに採用されれば飛躍的にダイナミックレンジが広がりそうな技術ですね。
感度は小型素子では劇的変化があったとしてもAPS-Cクラスになると効果半減かな?どうなんだろ?
APS-Cクラスの素子には結局Exmor Rが採用されなかった事を考えるとそんな気がしました。
やまだくん
すぐに大型センサーを出さないってことは技術的に難しいんでしょうか。だとしたら少なくとも2~3年は掛かるでしょうね。そもそも大型センサーで裏面だと意味ないとか言いますし。でもやっぱFoveonみたいなセンサーは楽しみにしています。
ゆっくり地震
FoveonみたいなRGB積層かとおもいきや、積層されたのは回路なのね。
危うくぬか喜びする所だった(笑
従来型ベイヤーと同じような配列ってことですね。
色フィルタ無しのWもあるのが目新しいかな。
ケータイなどの極小センサーにはどちらも有益な技術と思いますが、大型センサーには当分関係ないですね…。
北風
次々期iPhoneあたりに採用されるんでしょうか。
iPhoneだと年間で1億個ぐらい売れるから、そりゃあ開発にも力が入るでしょう。
こんな感じでiPhoneなどスマホの画質が向上すると、コンデジの販売が益々難しくなりますね。
暇人
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200806/08-069/index.html
Rの解説図を見ると、RのときからRSみたいにみえる。
yuunosuke
以前から開発してると言ってたやつが、
Exmor RSだったんですね。
裏面照射型CMOS イメージセンサーの回路を
支持基盤へ移し積層というか階層化することで
より受光性能を向上しつつ
モジュールユニットをコンパクト化して
スマートフォンなどの需要に応えるという趣旨ですね。
今度の各社のスマホ冬~春モデルに期待ですかね。
ぽぽぽぽーん
2種類の露出画像を合成したHDRムービー機能は記載がありますが、どこにもダイナミックレンジが拡がると葉書いてありませんよ。Wのお陰で高感度特性が向上(記載あり)してるだけではないでしょうか。
積層型になったので配線用の基板=支持基板が省略されて基板を削る行程がなくなったと解釈すればいいのでは?
鳥
我々カメラファンにはあまり関係のない(嬉しくない)製品ですが、これを利用するベンダー側にとっては画期的な製品です。
シリコンダイを立体的に重ねて(スタッキングして)集積率を上げるTSVという技術は、いまやCPUやメモリなどの業界でも注目されていますが、実製品に使われてる例はまだ少ない、次世代最新技術です。この技術を使って、カメラ関係の機能に使われる基盤のフットプリント面積を劇的に節約するための製品が、この積層センサーです。
今のスマホやデジタル製品の基盤は集積率がどんどん上がって基板上の「土地の奪い合い」は恐ろしい事になっています。というのも基板上のわずかな面積の空きによって、そこにD-RAMやフラッシュメモリをつめこむ事が出来、スペックの差別化を決定づけるからです。逆にこれで差をつけられると、他社に置いて行かれる事になるためベンダーは小さく高機能な部品を探し求めています。
このExmor RSが画期的なのは、本来なら、センサーを「使う側」が用意する、画像処理チップやプロセッサ、外部のプログラムなどのコントロールアプリケーションとの連携によって実現した機能が、センサー単体で提供されている点です。
これによって、ベンダーサイドが行う(コントロール側がやる)仕事は「機能のトリガー」と「結果のうけとり」のみになり、オートフォーカスから、AE、現像、ノイズ処理、(ISX014にいたってはJPEGの出力まで)、全てセンサーが自分で行うため、カメラ関係の機能で、スマホなどの本体のプログラム領域や基盤面積を圧迫しないのです。
これはセンサーにコントロールプロセッサやDSPにメモリ、動画やJPEGのエンコーダなど全て集積されている事を意味します。
2CF2E
実際これ結構すごい技術なんですけどね。
単なる裏面照射はメタル配線が入射光を遮る問題の解決に留まりますが、積層構造では受光面積がモノを言うフォトダイオードの下に光を当てる必要がない回路を配置できますし、高密度イメージセンサとして合理的な構造と言えるのではないかと。
しかしコレ、コンデジに流用可能なんですかね?大型化のハードル高そうだし、当面はスマホ向け用途だけでしょうか。
ryuu
>積層型になったので配線用の基板=支持基板が省略されて基板を
>削る行程がなくなったと解釈すればいいのでは?
いいえ、違います。
受光素子部分を小型化しても画素数を落とさないから、同じ
プロセスで
作らなければならない周囲のA/D変換回路などの周辺回路は小型化できません。
そのため、撮像ユニットの小型化のために受光素子部分を小型化しても
センサー全体の面積をそれに比例して小型化することができません。
逆に、周辺回路を受光素子部分と切り離してやれば、さらに高密度な
回路を組み込むこともできます。
センサーサイズを小さくしても思ったようにコストダウンできないこと、
スマホ用の部品は面積が小さいことが求められること、さらに裏面照射
センサーに必要な表面研磨する面積を少しでも減らすために、SONYは
ノイズの増大に目をつぶっても、技術的に困難な積層型のセンサーを
開発したのでしょうね。
なので、従来サイズのセンサー。ましてや1/1.7インチ以上のセンサーに
この技術の採用はありえないでしょう。
結局は苦し紛れの技術なんです。裏面照射センサーの技術的な筋の悪さが
垣間見えます。
yuunosuke
>ぽぽぽぽーんさん
解釈が間違ってます。
支持基板が省略されて基板を削る行程がなくなったのではないです
。
裏面照射型CMOSなのでフォトダイオードを実装するシリコン基盤は薄く削いでます
そうすると薄いため自力で支持する強度が保てないので
表側(照射面から見ると裏側)から支持する為の基盤を貼り付けていました。
これを絵画にたとえると絵(CMOSセンサー)に
裏打ちの板が支持基盤で、
今までは額縁に回路が配置されてました
大型のセンサーはサイズに対し回路がはみ出す面積はそれほどでもないのですが、
スマホ用などの小型のセンサーではセンサーと同じくらいの面積を食ってました。(情報元の構造図や実際の基盤参照)
この回路を支持基盤側へ移す事に成功して、
額縁の占める割合が大幅に減り
さらなるコンパクト化が出来たという訳です。
キツツキ
センサー、フラッシュメモリ、DRAM、プロセッサは
それぞれ異なるプロセスを持います。つまり同じ
チップの上に集積するのは難しい。不可能ではないが
コストが大幅に増大します。別のチップにすれば
柔軟に設計・製造できます。
積層する最大のメリットは実装面積、体積の削減で
しょう(スマホなど携帯機器では最も重要な課題の
一つ)。同じ面積、体積だったらより高機能を実現
できます。
一方ディメリットは何人かの方が指摘されていますが
放熱の問題と思います。プロセッサが高機能になれば
それだけ発熱が増えるので、そのトレードオフと思い
ます。
実際ソニーが売り出すのですから、高い次元でバランスを
実現したのだと思います。
ようかん
ryuuさんがつっこまれているように、これはスマホ等の極小センサー向けの技術で大型センサーにはメリット薄そうですね。
周辺回路の面積は画素数比例なのでセンサーが大型化するとフォトダイオードと周辺回路の面積比は大きくなりますから。
オンチップでHDRなどの画質改善処理や動き検出などの付加処理を行うようになるとムービーやコンデジ付近までは普及する可能性はあるでしょうね。
ぽぽぽぽーん
>yuunosukeさん
なるほど。了解いたしました。
のの
通常、裏面照射型センサーは、ウエハーに画素・画素部配線を形成後に補強用のシリコン板(支持基板)を貼り合せ、そのあとで受光面側を薄く削ります。ただのシリコン板を貼ったのではスペースがもったいないので、電気回路がのったシリコンchipにしました。ということのようです。
なので受光部の構造は従来のものと変わらないようです。
ぽぽぽぽーん
>ryuuさん
返事が抜けてました。了解致しました。
まっくろ
>Rの解説図を見ると、RのときからRSみたいにみえる。
そうです。
一つのマス目(画素)にフォトダイオード(PD)以外にも、カラムアンプ、縦横の転送配線が上面(下面)から積み重ねて配置されるので
断面方向では、フォトダイオードの幅が最大に占める向きから図を作ればそうもなります
ですが裏面照射とは云え基本的に一つの面に上から配置する必要があるという点は従来の構造と変わらないので
メタル配線はともかく、PD以外の半導体が画素ピッチの中で必要とする表面積は変わらないのです
今度のExmoreRSの構造的なウリは、センサー内の周辺回路を別スタックに分割する事が可能になり
画素ピッチに占めるPDの面積をより大きくとれるようになった、という点なのです
のの
>まっくろさん
SonyのHPの構造図は1画素を示したものではなく、イメージセンサー全体を表しており、この回路とはA/Dや画像処理などの撮像部以外のものを指しています。
このセンサーの発想が面白いのは、撮像センサーと後段の画像処理プロッセサ間にプリプロセッサをスタックしていることで、プリプロッセッサの出力が従来通りのベイヤー配列RGBデーターであれば後段の画像処理方法を気にすることなく撮像センサー側は何でもありなところです。画素配列がRGBWだろうと、複数ショットを合成して出力しても...
ExmorRSの構造が大型化に不向きでも、後段の画像処理を気にせずに撮像センサー側はなんでもあり(プリプロセッサがデーターを変換して対応)の発想は大型センサーでも有効では?
面白い発想のセンサーを作っても、専用の画像処理プロセッサまで作るのは大変だから。
Mas
まあ、スマフォなどでは”画質<コンパクト”といったところでしょうか。
それによりカメラの方が高画質(かさ張るけど)となってくれれば差別化できてカメラが売れる…
って画策してたりして。。。
梅ちゃん
結局のところ従来の裏面照射型CMOSの改良版ということで、従来通りセンサーとしての大型化は見込めない(製造上の問題で)ので、コンデジレベルでは搭載も将来的にはありそうですが、APS-Cなど大きなセンサーで採用されるような代物ではないですね。
通常CMOSの高画素化を一体どの辺りまで進めるのかの方が、当面カメラに関しては重要ですかね。1億画素とか出してくるのかな~*_*;。
Anonymous
センサーはソニーの独壇場になりつつありますね。
ryuu
>センサーはソニーの独壇場になりつつありますね。
そんなことはありません。ビデオカメラ用はともかく、今後、センサー市場の
多くを占めると思われるスマフォ用では、ソニーのシェアは高々11%にすぎません。
ソニーのセンサー市場における存在感は薄れつつあります。
今回の技術は、存在感を示すことができないスマフォ向けの市場に何とか食い
込む為に開発したのだと思います。
ちなみに、、一眼カメラ用では、ソニーのシェアは38% 。どう考えても
トップランナーとは思えません。
ace
>>ryuuさん
スマホはともかくデジ1ではソニーはトップランナーでしょう。
デジ1で自社製素子のキャノンシェアは45%です。
ソニーが38%キャノンが45%残りは17%しかありません。
DEN
スマフォ市場は圧倒的に大きいですからね・・・
デジ1市場のシェアなんて吹き飛んでしまう規模かと思います。
今の(各市場を総合した)イメージセンサーのトップランナーはサムスンですかね。
国産メーカーでは東芝かソニーか・・・
ace
もしかしてソニーのこのスマホのシェアってiphone4sオンリー?
ソニーは撮像素子を高く売りたい見たいだけど、一般人はスペックしか見てないし、カメラマニアはスマホのオマケカメラで画質を極めようとは思って無い!
だからナカナカ難しそう、サムスンみたいに画質悪くても画素数上げて安く小型に作ったほうが売れるみたいですね。
ぎゃーとる
サムスンの肩もつわけじゃないけど、一昔前ならともかく今のセンサーはかなり高性能だよ。
APS-Cセンサーも馬鹿にできない性能だし。