ソニーα99はα900からあらゆる点で大幅に前進している

dpreviewに、ソニーα99(SLT-A99)の詳細なレビューが掲載されています。

Sony Alpha SLT-A99 In-Depth Review

  • マグネシウム合金のボディは手に持つとしっかりとした感触で、意外に軽量だ。
  • 6コマ/秒の連写は同程度の価格の一眼レフと互角だが、バッファーがクリアされるまでの書き込み時間は非常に短く、5D Mark III やD600と比べると2倍以上の速さ(RAW17コマで7.5秒)だ。
  • AFは実写では従来のソニー機よりも著しく改善されており、特にAF範囲を制限したときの改善が顕著だ。しかし、我々はα99をとてもスポーツカメラマンのカメラとして分類することはできない。バスケットの試合のような室内のイベントでは、カメラにまっすぐに向かって来る、または遠ざかっていく、高速で動く被写体をロックするにはAFは少々遅い。6コマ/秒の連写では、より正確にピントが合っているのはしばしば2コマ目か3コマ目だった。そして、一度ピントが合っても、AFアシストポイントの動体予測で全力で走る被写体を確実に追うことはできない。
  • α99のAFは初期のαシリーズを大幅に超えてはいるが、直接のライバルである5D Mark III はより広いAF測距点を持ち、よりしっかりとした動体予測システムを備えている。α99のアドバンテージは、操作が簡単なことで、AF-Dモードを選択し、AF範囲のオプションを選択するだけで、すべての準備が完了する。
  • JPEGの高感度ノイズは、全てのISO範囲を通してとても素晴らしい。α99はライバルと同等またはそれ以上に色ノイズと輝度ノイズが抑えられている。ディテールはISO6400まで見事に維持されている。ISO12800とそれ以上ではノイズリダクションが顕著になり、画質が低下するが、中程度の大きさのプリントなら十分に実用的だ。サンプル画像では更に印象的で、α99はノイズリダクションの処理が少なく、5D Mark III よりもより自然に見える。
  • RAWの高感度ノイズは、フルサイズ機のライバルと同程度で、ISO6400までは輝度ノイズの違いはほとんど無い。色ノイズではISO6400以上の感度では若干ライバルに劣っている。ISO6400よりも上の感度ではノイズはかなり顕著になるが、それでもなおα99はフルサイズ機の中でトップクラスのディテールを維持している。
  • α99のトーンカーブはこれまでのαの機種とほとんど同じで、ダイナミックレンジはDRO無しで9段近くある。ハイライトディテールの飛び方は5D Mark IIIと比べて若干急だ。
  • 解像力はJPEGで2800LPH前後まで解像している。エッジの縁取りはD600よりも目立つが、モアレは最小限に保たれている。RAWでは若干多くのディテールが解像し、エッジの縁取りを出さずに、中程度のシャープネスをかけることができる。
  • α99のJPEGはデフォルトでかなり良好なセッティングで、とても良好な画質だ。過度に強いシャープネスとノイズリダクションに頭を悩ますソニーのローエンドモデルと異なり、α99は撮って出しでとても実用的がファイルが得られる。しかし、RAWではα99は本当に際立っており、ディテールはこれまでに見た24MPセンサー機でベストで、ハイライトもシャドーの余裕もかなり大きい。
  • ホワイトバランスは複数の光源が混ざった状態の室内でさえ素晴らしく、色再現やコントラストは概ね正確だ。露出の判断も様々な状況で良好で、露出補正が必要になるのは逆光やハイコントラストのシーンのみだ。
  • 動画はフルタイム位相差AFが可能で、ライバルに明らかに差を付けている。画質は非常に素晴らしいが、他の一眼レフ同様にモアレには注意する必要がある。自動露出とオートホワイトバランスで、色再現はナチュラルで、全体に好ましい出力が得られる。高感度の動画性能もとても良好だ。内蔵のステレオマイクはクリアでキレがいいが、ウインドノイズにかなり敏感で、カメラの背後の音も拾いやすい。
  • α99はとても良好な画質と使い勝手のよい操作系が融合したカメラだ。α99はα900からあらゆる点で大幅に前進しており、EVFに抵抗が無いユーザーはα99にあまり欠点を見出だせないだろう。我々はソニーの先進的な考えに基づいて(ハイクオリティな有機ELのEVFを含む)現存の全ての技術をフラッグシップ機に投入するという試みに拍手を送らなければならない。加えて、ダイナミックレンジ、一級品の高感度性能、素晴らしい動画機能によって、α99は余裕で我々の金賞を獲得した。
  • 良い点: デフォルトの設定でとても良好なJPEG出力、JPEGでもRAWでも素晴らしい高感度出力、RAWのダイナミックレンジが広い、満足の行く露出とホワイトバランス、軽量で使い勝手が良くしっかりとした造りのボディ、ハイクオリティな有機ELのEVF、クイックナビメニュー、5つのカスタマイズ可能なボタン、録画中に音のしないサイレントコントローラー、スイープパノラマの画質とつなぎ合わせが素晴らしい、連写時の高速な書き込み速度、非圧縮のHD動画の出力が可能、マニュアルオーディオコントロール。
  • 悪い点: AF測距点の範囲がライバルと比べて狭い、マニュアル露出モードとAFが両立できない、ビデオモードでヒストグラムが無い、3コマ/秒より速い連写時にライブビュー表示できない、録画中に拡大表示できない、AFトラッキングの精度がニコン・キヤノンのライバルに劣る、メニューシステムが冗長。

 

総合スコアは84%の金賞で、5D Mark III とD800の82%を超える非常に高い評価となっています。α99は画質と操作性でとても高い評価となっていて、dpreviewでは辛口の評価が多かったJEPGの画質も格段に進歩しているようですね。

また、TLM機にもかかわらず、高感度性能でも同クラスのライバルに全く引けをとっていないようです。注目のデュアルAFに関しては、まだライバルには及ばないようですが、これまでのソニー機に比べると飛躍的に進歩しているということなので、今後の熟成に期待したいところです。