タムロンSP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USDは開放から良好な解像力

LensTipに、タムロンSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USDのレビューが掲載されています。

Tamron SP 90 mm f/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

  • 手ブレ補正の付いたこのクラスのマクロの中では、タムロンは最も軽量で比較的小さいが、旧型と比べると大幅に大きく重くなっている。
  • フォーカスリングは十分な重さがあり、スムーズに回転する。最短から無限遠までの回転角は210度でとても大きいが、その大部分はマクロ域のもので、0.5mから無限遠までの回転角はちょうど50度だ。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • 手ブレ補正は、最大で3.5段分に達しており、公称の4段分からそれほどかけ離れていない。ライバルとくらべても良好だ。
  • 解像力テストはEOS 1Ds Mark IIIで行なっており、良像の基準は30-32lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は開放からとても高く、F4とF5.6では46lpmmの非常に高い値に達し、際立ってシャープになる。以下は、中央の絞り開放時とMAXの解像力の値だ(タムロンの旧型は1D3と画素ピッチが同程度の20Dによる測定。ニコン105VRはD3Xによる測定)。

      タム90VC タム旧90 キヤノン100IS ニコン105VR シグマ105OS
    F2.8(開放) 36.1 29.1 43.7 40.0 36.2
    解像力MAX  45.9 43.0 46.2 44.6 43.4


  • 周辺部の解像力は、フルサイズでも開放から実用になる値(31lpmm前後)で問題はない。少し絞るとフルサイズの周辺部まで優れた値(F5.6で37lpmm前後)になる。
  • 軸上色収差は、ピント位置の前側・後ろ側ともに認められず全く問題ない。倍率色収差は、0.04%で問題はない。倍率色収差はタムロンはニコンやキヤノンよりも良好だが、ベストはシグマだ。
  • 歪曲は、APS-Cでもフルサイズでも測定誤差の範囲内(0.02%と0.06%)でゼロと言っていいだろう。
  • 周辺光量落ちは、フルサイズでは46%(-1.78EV)で開放でのみ問題があり、F4では22%(-0.73EV)の穏やかな値になる。ここではキヤノンがベストで、次いで同程度でタムロンとニコン、ワーストはシグマだ。
  • 逆光耐性に関しては肯定的な評価で、APS-Cの50Dでは容易にフレアが出るが、それほど強烈なものではない。
  • AFは実に静かで速さも称賛に値する。AFは無限遠から最短まで約1秒で、0.5mまでのフォーカスリミッターを使えば0.4秒の電光石火の速さとなる。AF精度に関しては、スタジオのテストでピントを外したのはわずか2.5%で、とても良好な結果だ。
  • このクラスのマクロレンズは、どのレンズも同様に非常にハイレベルな性能をキープしているが、差がないわけではなく、ベストは多くのカテゴリでトップだったキヤノンで、すぐ後ろにタムロンとニコンが続き、シグマがワーストだ。
  • 良い点: 中央の驚くほどの解像力、周辺部の素晴らしい解像力、色収差が無視できる、球面収差がよく補正されている、歪曲がゼロ、コマ収差がわずか、非点収差が少ない、高速で静かなAF、効果的な手ブレ補正、しっかりした逆光性能。
  • 悪い点: 付属のアクセサリーが控えめ、フルサイズの周辺光量落ちが今一つ。

 

新型は、旧型に比べて光学性能は一回り良くなっており、加えて超音波モーターと手ブレ補正が採用されているので、全体としては大幅に魅力アップしているという印象です。ライバルとの比較では、いずれも光学性能は非常に優秀なので、どのレンズを選ぶのかは悩ましいところですね。