富士フイルムXF18-55mm F2.8-4 R OIS はズーム全域で驚くほどシャープなレンズ

photozoneに、富士フイルムのXF18-55mm F2.8-4 R OISのレビューが掲載されています。

Fujinon XF 18-55mm f/2.8-4 R LM OIS (Fujifilm) - Review / Test Report

  • 鏡筒は金属製の部品がしっかりと組み立てられており、クオリティはとても良好だ。望遠側にズームするとレンズは伸びるが、前玉は回転しない。フォーカスリングとズームリングはどちらもスムーズに回転する。
  • AFは基本的にノイズレスだが、絞りを絞るときにカチっという音がする。AF速度は極めて速い。AF精度は初期ファームではあまり感心しなかったが、このレビューの時点の最新ファームでは顕著に改善している。とは言うものの、AF性能はマイクロフォーサーズにはまだ及ばない。動体追尾は、あまり望ましい性能ではない。
  • 手ブレ補正は公称4段分だが、実写では2-3段分の効果に見える。
  • 歪曲は(自動補正なしの状態で)広角端では4.6%の極めて大きいタル型で、23mmでは若干のタル型(0.95%)になり、それより長い焦点距離では糸巻き型(55mmで0.78%)になる。歪曲はカメラ内やRAW現像時に補正されるので、それほど心配はないが、自動補正は画質を損なうので、レンズ自身の歪曲をチェックするのはそれでもなお興味深いことだ。
  • 周辺光量落ちは、自動補正OFFでは非常に大きく、特に18mmと35mm以上では大きい(18mmで1.5EV以上、35mmで1.2EV)。しかし、F5.6に絞ればそれほど問題はなくなる。周辺光量補正は、周辺部のノイズを増やして画質を劣化させることを気に留めておいて欲しい。
  • 解像力は中央は回折の影響が若干見られるF11を除いて、おおむね素晴らしい値(excellent)だ。周辺部の解像力はとても良好な値(very good)に容易に達し、広角側では素晴らしい値(excellent)にさえ届く。四隅はどの焦点距離・絞り値でも甘さは全く見られない。このレンズのスイートスポットは18mmで、最も弱いのは35mm前後だ(とは言え非常にハイレベルだ)。
  • 色収差は標準ズームとしては良好に補正されており、18-35mm域では1ピクセルを下回っている。55mmでは色収差は1.6ピクセルに増えるが、それでもなお大きすぎる値ではない。
  • ボケは標準ズームとしては極めて良好だが、もちろん高性能な単焦点レンズには敵わない。
  • XF18-55mmは、富士のシステムを導入する最もホットな理由になるかもしれない。このレンズはズーム全域で驚くほどシャープで、色収差も55mm開放時を除けば概ね少ない。ウィークポイントは18mmの歪曲が大きいことと、開放で周辺光量落ちが少し大きすぎることだが、これらはカメラ内または現像時に補正されるので心配する必要はない。
  • レンズの造りはハイレベルだが、偏芯がかなり顕著だった個体もあった。富士のこれまでの単焦点とは異なるメカニズムのAFは極めて速く、基本的に静かだ。一言で言えば、このレンズを選択すれば間違いない(よい個体が入手できれば)。

 

光学性能の評価は、5点満点中3.5~4点で、キットレンズとしてはとても高い評価となっています。解像力はズーム全域で開放から良好で、周辺部の落ち込みも見られないのは素晴らしいですね。歪曲や周辺光量落ちは大き目ですが、これは自動補正を前提とした設計のためのようです。

キットレンズとしては文句なしの高性能レンズですが、個体差の大きさが指摘されているのは少々気になるところですね。