キヤノンEF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM はズーム全域で開放から極めてシャープなレンズ

photozoneに、キヤノンEF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMのレビューが掲載されています。

Canon EF-S 18-55mm f/3.5-5.6 STM IS - Review / Test Report

  • サイズは、面白いことに旧型よりも若干大きくなっている。これは、現在の全てをダウンサイジングするトレンドを考えると驚きだ。
  • 正直言って、これまでのキヤノンの標準ズームのキットレンズはかなり安っぽかった。新型はがっしりした造りではないものの、これまでよりもいくらか良くなっている。鏡筒はオールプラスチック製だが、繰り出してもそれほどガタつきはない。
  • 新型は、フォーカシングで前玉が回転しなくなっている。その他の改善点は、きちんとしたフォーカスリングが設けられたことだ。ズームリーングやフォーカスリングは使っていて心踊ることはないが、新型では実にまともなものになっている。
  • 新しいSTM(ステッピングモーター)によるAFは、非常に速く、テストした個体は精度も良好だった。
  • 歪曲は18mmでは3.2%のとても強いタル型だが、このタイプのレンズとしては極めて普通のことだ。24mmでは歪曲は0.8%で顕著に改善し、35mmと55mmでは、ほとんど無視して良い値になる。
  • 周辺光量落ちは広角端の開放では1.8EVとかなり大きく、容易に目に付く。F5.6まで絞ると改善する(0.75EV)が、F8まで絞らないと解消しない。広角端以外の焦点域では周辺光量落ちは改善するが、それでもなお、24mmと35mmの開放では1EV前後の周辺光量落ちがある。
  • 解像力チャートを、多くの読者はたぶん信じらない思いで眺めるだろうが、これは本当のことだ。解像力の測定結果は、ズーム全域でどの絞り値でも素晴らしいものだ。像面の湾曲が若干あるが、それほど大きなものではない。センタリングのクオリティ(偏芯)は極めてしっかりとしていた。
  • 色収差はズームの両端では1ピクセル前後(中間域ではいくらか少なくなる)で、とても良く補正されている。しかし、18mmでは隅の一番端の部分では2.5-3ピクセルを記録しており、補正をするのが望ましい。
  • このレンズは極めてシャープなレンズで開放でもコントラストの低下は非常に少ない。しかし、欠点もあり、若干の像面の湾曲のために平面的な被写体を開放で撮ると、四隅がわずかに甘くなる。色収差は概ね少ないが、18mmの四隅では目に付く。歪曲と周辺光量落ちも18mmの弱点だ。鏡筒の機械的なクオリティも改善されており、前玉が非回転になったこととフォーカスリングは称賛したい。価格は旧型よりも若干高くなっているが、とは言うものの、それでも性能からするとバーゲン価格だ。

 

光学性能の評価は5点満点中3.5点~4点で、廉価なキットレンズとしてはとても良い評価になっています。解像力は、ズーム全域で絞り開放から中央はexcellent(素晴らしい値)、隅はexcellent に近いvery good(とても良い値)で、廉価なズームでここまで安定して高解像力のレンズも珍しいですね。

AFや鏡筒のクオリティも向上しているようなので、新型は旧型よりもずっと魅力的なレンズになっているという印象です。