Zeiss Touit 12mm F2.8 は絞り開放から周辺部まで実用的な画質

LensTip に、ツァイスTouit 2.8/12 (12mm F2.8) の レビューが掲載されています。

Carl Zeiss Touit 12 mm f/2.8

  • 絞りリングは幅11mmで、スムーズで適度な重さがあり、1/3EVステップで絞りをセットすることができる(ソニーEマウント用には絞りリングは無い)。
  • フォーカスリングは幅12mmで、目盛りは一切無い。フォーカスはサーボ機構(モーター駆動)で動き、フォーカスリングの回転角は約200度だ。絞りリング同様に(すべり止めの)ギザギザは付けられていないが、ゴムの素材は滑らず快適に動かすことができる。唯一の欠点はフォーカスリングにゴミがつきやすく、それが目立ちやすいことだ。
  • 解像力テストは、X-E1のRAWファイルで行った。良像の基準は39-40lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は、絞り開放で57lpmmでとても高い。F4-5.6に絞ると、解像力は62-63lpmmの非常にハイレベルな値に上昇する。これは富士の18mm F2 と60mm F2.4を若干上回り、35mm F1.4を若干下回る値だ。ツァイスの中央の解像力の評価は、とても肯定的なものだ。
  • 周辺部の解像力は、開放で40lpmmを若干超えるレベルで、(開放から)実用的な画質が得られる。F2.8の超広角レンズで開放から画面全域で実用になることは、賞賛に値する。絞ると解像力は改善する(F4-F8で、48-49lpmm前後)が、50lpmmを超えないことが唯一の問題で、F4-F8でこのレベルを超えていれば完璧だった。しかし、この小さな問題にもかかわらず、このレンズの解像力に関する我々の評価は、とても良好なものだ。
  • 軸上色収差は、わずかな問題すら見られなかった。倍率色収差も同様で、絞り値や画面内の位置にかかわらず無視していいレベルだ(0.04%以下)。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され、0.09%の気付かない程度の大きさだ。RAWでは、-2.54%のタル型で、これはそれほど煩わしくはないが、単焦点レンズとしては自慢できるものではない。ニコンやトキナーの12-24mmのズームの歪曲は-2.5から-2.0%で、12mm F2.8 よりも若干小さい。
  • 周辺光量落ちも、歪曲と同じようにJPEGでは自動補正される。JPEGの周辺光量落ちは開放で26%(-0.88EV)で、ほとんど文句はない。F4では15%(-0.47EV)、F5.6では大きく改善し12%(-0.36)になる。
  • RAWでは周辺光量落ちは、ずっと大きな問題で、開放では48%(-1.91EV)に達する。F4では37%(-1.35EV)に減少し、それ以上絞ってもF5.6では33%(-1.16EV)、F8では31%(-1.07EV)であまり効果はない。
  • 逆光耐性はパーフェクトではなく、太陽が画面の内側にある場合でも外側にある場合でもフレアがでる。最も厳しいのが、太陽が画面隅の外側にある時に絞り込んだ場合で、このケースでは非常に強いフレアが発生するが、この条件を避ければ、逆光時の性能にほぼ問題はない。
  • AFの作動音は静かで、煩わしいウィーンという音はしない。AF速度は最新ファームを搭載したX-E1では、最短から無限遠まで0.5秒で、とても良好な結果だ。スタジオのテストでは、AFでピントを外したことは1回もなかった。
  • ツァイスTouit 12mm F2.8 は、とてもよく出来たレンズだ。100度近い画角のレンズで、開放から既に画面全域で実用になる画質が得られるレンズに、異議を唱えるのは難しいだろう。
  • 良い点: ほとんど金属製のハイクオリティな鏡筒、中央の見事な解像力、周辺部の良好な解像力、色収差が無視できる、球面収差が適切に補正されている、非点収差が少ない、手際の良いAF。
  • 悪い点: 開放ではコマ収差が目立つ、周辺光量落ちが大きい、逆光耐性が今ひとつ。

 

Touit 12mm F2.8 は、換算18mmの超広角レンズにもかかわらず、絞り開放から周辺部まで十分な画質なのは素晴らしいですね。問題点としては、周辺光量落ちが指摘されていますが、これは超広角レンズとしては、悪いというほどでもなさそうです。あと、逆光ではフレアが強く出る条件があるようなので、これを頭に入れておけば、フレアは運用でかなり回避できそうですね。