ニコンAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gは少々奇妙なレンズ

SLRGear に、ニコンAF-S NIKKOR 58mm f/1.4G のレビューが掲載されています。

Nikon 58mm f/1.4G AF-S Nikkor (Tested)

  • このレンズは極めて大きいが、軽さは維持されている。D800EやD610との組み合わせでは、バランスが良くホールディングは快適だ。
  • 解像力は、フルサイズの開放では周辺部はかなりソフトで、blur index のチャートは、ソンブレロ帽を上下逆さまにしたような形状をしている。中央はいくらかシャープだが、それほどシャープではなく、中央の周辺の領域はよりソフトで、隅は若干シャープになる。APS-Cでは周辺部はフルサイズほどソフトではないが、それでも1700ドルのレンズに望むシャープさではない。
  • 絞ると解像力はやや大きく改善し、フルサイズでF4、APS-CではF2.8で中央は非常にシャープになる。このとき、隅はフルサイズではまだ若干ソフトで、残念ながら、どれだけ絞っても、非常にシャープにはならない。APS-Cでは、F2.8以上ではずっとシャープで、F5.6-8では隅々まで極めてシャープになる。
  • 倍率色収差は、フルサイズでは開放付近(F1.4-2)でわずかに増えるが、どの絞り値でも非常に少ない。APS-Cでも色収差は、ごくわずかだが開放付近(F1.4-2.8)では若干大きくなる。
  • 周辺光量落ちは、フルサイズではF1.4で0.75EVを下回る値で、F2では0.5EVで素早く改善する。F2.8以上では、周辺光量落ちは1/4EVを下回るが、完全にはなくならない。APS-Cでは、周辺光量落ちはF1.4で0.25EVで、絞ると素早く改善し、F2.8以上では0.05EVでほとんど気付かない値になる。
  • 歪曲は、フルサイズでは隅で+0.5%、平均で+0.25%のわずかなタル型だ。APS-Cでは、歪曲は隅で+0.2%、平均ではわずか+0.08%でずっと目立たなくなる。
  • AFは無限遠から最短まで約1秒だが、それほど速いとは感じない。AFは電光石火ではないが、遅くもない。しかしながら、AF精度は高く、被写体に容易にロックすると感じる。
  • フォーカスリングはとてもスムーズだ。フォーカスリングの回転角は約180度で、最短と無限遠の両端では重くなる(ソフトストップ)。
  • 50mm f/1.4Gとの比較では、50mm f/1.4Gが58mmよりも若干シャープで、特に絞ったときの隅々までの解像力では50mmがシャープだ。しかし、50mmはフルサイズでは58mmよりも周辺光量落ちが大きい。
  • 50mm f/1.8Gとの比較では、50mm f/1.8Gはわずか200ドルだが解像力は悪くはない。開放では解像力は平均的で、58mmと同程度だ。絞ると58mmと中央は同等になる。周辺光量落ちは58mmと同等だが、色収差は若干50mm f/1.8Gが大きい。
  • 50mm f/1.4Gも50mm f/1.8Gも、58mm f/1.4Gと似たような性能だ。58mm f/1.4Gは、たぶん、ここではテストしていない例えばコントラストやフレアなどのクオリティが、他のレンズよりも大きく上回っているのかもしれない。
  • 58mm f/1.4Gは少々奇妙なレンズで、非常に大きく、1700ドルと高価にもかかわらず、画質は少し残念なものだ。50mm f/1.4Gの4倍以上の価格で、画質がそれほど改善していないことを考えると、このレンズのライナップへの追加は少々奇妙なことだ。

 

58mm f/1.4の開放の解像力は、中央と隅が比較的良好で、中間部がかなり甘くなるという、少々変わった特性ですね。絞ると、解像力はF5.6までじわじわと改善しますが、それほど改善は早くないようです。色収差や歪曲、周辺光量落ちは全く問題なさそうですね。

このレンズはとても個性的なレンズなので、このテストの数値だけ評価するのは難しそうですが、点光源の描写やボケ味などを評価するテストがあれば、もっと高い評価になったかもしれませんね。