パナソニックNOCTICRON 42.5mm F1.2は見事な解像力だが周辺光量落ちが大きい

LensTip に、パナソニックの「LEICA DG NOCTICRON 42.5mm F1.2」のレビューが掲載されています。

Panasonic Leica DG Nocticron 42.5 mm f/1.2 Asph. P.O.I.S.

  • フォーカスリングは幅17mmで、サーボ機構(モーター駆動)が採用されている。フォーカスリングには十分な重さがあり、スムーズに回転する。
  • 絞りリングはちょうど幅6mmで、スムーズで十分な重さがあり、1/3EVステップで絞りを調整することができる。
  • 手ブレ補正の効果は3.5EV前後で、良好な結果だ。
  • 解像力テストは、オリンパスE-PL1のRAWファイルで行った。これまででベストの単焦点レンズの解像力は80lpmm前後(最高記録はフォクトレンダー25mm F0.95の82.6で、オリンパスの75mm F1.8もそれに近い値)で、良像の基準レベル44-45lpmm付近だ。
  • 42.5mm F1.2の中央の解像力は開放から既に48lpmmの実用になる値で、F2.8では80lpmmを超え、ピークのF5.6で82lpmm近くになる見事としか言えない性能だ。これはセンセーショナルな結果で、フォクトレンダー25mm F0.95やオリンパス75mm F1.8 と同等の解像力だ。
  • 隅の解像力もなお非常に肯定的なものだ。隅は開放でさえ47lpmmの実用的な値で、レンズの明るさを考えると、とても良好な結果だ。絞ると最初はゆっくりとしか解像力は上がらないが、F2.8からは素早く解像力が上がり、ベストのF4では67lpmmでとても高画質になる。
  • このレンズは軸上色収差はあまり得意科目ではなく、サンプルでは開放だけでなく、1段絞った場合でも目に付く。倍率色収差は、0.03から0.05%の非常に低いレベルで、とても良好に補正されている。
  • 球面収差は十分によく補正されている。
  • 歪曲はJPEGで-0.09%、RAWで-0.05%で、どちらも誤差の範囲内でゼロと言ってよい。
  • 周辺光量落ちは開放では54%(-2.23EV)で、かなり劣っている。F1.4に絞ると49%(-1.95EV)になるが、これはまだかなり大きな値だ。F2では周辺光量落ちは22%(-0.73EV)で、穏やかになり、F2.8では10%(-0.29EV)で完全に解消する。周辺光量落ちは大口径のフルサイズ用レンズと同等で、評価は肯定的なものではない。
  • 逆光では絞って光源を画面内に入れた場合にのみ、いくらか問題があった。光源が隅にある場合や、開放付近で撮影した場合にはゴースト・フレアの問題はなかった。逆光耐性は良好と言える。
  • AFは最短から無限遠までG6では0.4-0.5秒、E-PL1ではそれよりも0.1-0.2秒余計にかかるが、どちらのボディでも速い。AF精度はどちらのボディでも1つのミスもなくパーフェクトだ。
  • 私はこのレンズに編集者賞を授与したかったが、主に周辺光量落ちの激しさからこれを思いとどまった。小型センサー用に設計された高価なレンズなので、周辺光量落ちはもっと高性能であるべきだ。
  • 良い点: ハイクオリティな造り、中央の見事な画質、隅のとても良好な画質、倍率色収差がとても少ない、歪曲が実質的にゼロ、コマ収差の補正が素晴らしい、非点収差が少ない、ボケが目に快い、静かで正確で高速なAF、効果的な手ブレ補正、良好な逆光耐性。
  • 悪い点: 周辺光量落ちが大きい、軸上色収差が少々目立ちすぎる。

 

42.5mm F1.2は、大口径レンズにもかかわらず開放から周辺部まで十分に実用になる解像力ですね。絞れば周辺部まで非常に高い解像力になるので、ボケを活かした撮影だけでなく、風景の切り取りなどにもよさそうです。

このレンズは大口径にもかかわらずAF精度が非常に高いので、開放でも安心してAFで使うことができそうです。あと、周辺光量落ちはもう少しがんばって欲しかったところですが、これは自動補正が前提なのかもしれませんね。