シグマ50mm F1.4 DG HSM Art はライバルを余裕でしのぐ解像力

SLRGear に、シグマ50mm F1.4 DG HSM Art のレビューが掲載されています。

Sigma 50mm f/1.4 DG HSM "A" (Tested)

  • シグマ50mm F1.4 Art のフルサイズでの解像力は、F1.4ではライバル達(キヤノン50mm F1.2L、ニコン58mm F1.4)を楽に打ち負かしている。キヤノンは中央はシャープだが隅が非常に甘く、ニコンは中央の解像力で劣り、他の部分も非常に甘い。ソニーの55mm F1.8 はF1.4に設定できないので、ここではコメントしない。
  • F2に絞ると、他の全てのレンズも改善するが、シグマも改善し、画面のどの部分でもライバル達を容易にしのいでいる。F2.8では、シグマの解像力はほぼ完璧に均一で、画面全域で極めてシャープになる。ニコンは中央は極めてシャープだが、まだ隅は甘い(とは言えそれほど悪くはない)。キヤノンも中央は極めてシャープで、隅は若干甘い。ソニーはかなり均一だが、左右の端が若干甘い。
  • F2.8よりも絞ると、シグマはとても均一で非常に高い解像力を保っており、F8からは回折による解像力低下の兆候が見られる(回折は他の3本のレンズも同じことが言える)。ニコンは絞り込んでもF16に至るまで解像力はそれほど均一にはならず、一方で、ソニーとキヤノンはF8ではとても均一になる。
  • 倍率色収差は非常に良く補正されている。平均ではF1.4では非常に低い値で、絞ると徐々に増えるが、F2.8でもなお低い値で、それ以上絞っても一定だ。ピークの色収差はF1.4とF2では若干大きいが、F4からは減少する。平均とピークの色収差の違いが大きいのは、このレンズの色収差が隅の小さな領域に限られているためだ。
  • ライバルと比べてシグマにもしウィークポイントがあるとしたら色収差で、ニコンとソニーはシグマに優っている。とは言え、キヤノンは平均でもピークでもシグマよりも色収差は大きい。
  • 周辺光量落ちは、大口径レンズの開放ではごくふつうのことだが、かなり目に付く。とは言え、シグマはキヤノンとソニーを楽に打ち負かし、開放ではニコンにもわずかに勝っている。F2でもシグマはニコンよりも良好だが、面白いことにF2.8以上ではニコンが一番周辺光量落ちが少ない。
  • 歪曲はほとんど測定されず(平均ではほぼゼロ、ピークではごく僅かな糸巻き型)、ここではシグマが容易に勝利を収めている。他の3本のレンズは、いくらかタル型の歪曲が見られる。
  • AFは速いが、無限遠から最短まで1秒かそれ以上かかり、最速クラスではない。AFの作動音はほとんどしない。
  • フォーカスリングは、十分な重さがありとてもスムーズに回転する。最短と無限遠ではフォーカスリングが重くなる(ソフトストップ)。フォーカスリングの回転角は90度を若干超えている。
  • 最短撮影距離は40cm、最大撮影倍率は0.18倍なので、本格的なマクロ撮影には向いていないが、それでも比較的寄ることができる。
  • このレンズは軽量ではなく、重さも造りも本格的だ。他のグローバル・ヴィジョンのレンズ群と同様に、造りはとても良好で、熱的に安定した複合素材が使用されているが、金属のような見た目と感触だ。
  • ニコンとの比較では、ニコンの50mm F1.4 と50mm F1.8 はシグマよりもずっと安価だ。これらのレンズは画質はシグマに劣っているが、絞れば悪くはない。1700ドルの58mm F1.4は、50mm F1.4から若干の改善で、シグマ以上には勧められない。
  • キヤノンとの比較では、キヤノンには安価な50mm F1.4 と50mm F1.8 があり、どちらのレンズも開放では厳しいが、絞れば良好な性能だ。1700ドルの50mm F1.2L は、F1.4まで絞っても隅はかなり甘く、周辺光量落ちと色収差もシグマに完全に後れを取っている。ここでもアドバイスは簡単で、シグマ50mm Art を買うべきだ。
  • ツァイスのOtus 55mm F1.4 は、まだテストをしていない(近日中にレビューを掲載する)が、価格の点ではシグマが完勝することを確信している。
  • シグマ50mm F1.4 今年レビューで取り上げそうなレンズの中で最もエキサイティングなレンズだ。ニコンやキヤノンの競合する全てのレンズ群は、解像力を比較するといずれもシグマに及ばない。シグマの価格は公式には発表されていないが、キヤノンのEF50mm F1.2L よりも少し安価になると予想している。ニコン58mm F1.4 やキヤノン50mm F1.2L と同じ価格だとしても、シグマ50mm F1.4を勧める。

 

残念ながら、一番気になるOtus 55mm F1.4との比較はまだ行われていませんが、解像力などの数値的には、シグマの新しい50mm F1.4は非常に優秀で、ここではかなりの高評価となっています。

ただ、ニコンの58mm F1.4Gやキヤノンの50mm F1.2L は解像力よりも味を重視したレンズなので、これらのレンズと単純に解像力などの数値だけで勝ち負けは決められないかもしれませんね。後はシグマ50mm F1.4 のボケ味がどうなのかが気になるところです。