ソニーFE 70-200mm F4 G OSS はハイクオリティなレンズだがα7Rとの組み合わせではブレやすい

Photozone に、ソニーのFE70-200mm F4 G OSS (SEL70200G)のレビューが掲載されています。

Sony FE 70-200mm f/4 G OSS (SEL70200G) - Review / Test Report

  • 鏡筒は全くガタツキがなく、フォーカスリングとズームリングの動きは非常に滑らかで、素晴らしい造りだ。フォーカシングはインナーフォーカスなので、前玉は回転しない。このレンズには、標準で三脚座が付属している。
  • 一眼レフでは、このようなレンズはスポーツ用に使われるかもしれないが、少なくともAFがあまり速くないα7Rとの組み合わせでは、スポーツ撮影は論外だ。これはレンズの問題ではなく、主にカメラ側の制限だ。AFの良い点は、基本的に作動音がしないことだ。
  • MFはバイワイヤ(モーター駆動)で、あまり問題はないが、昔ながらのカメラマンには、フォーカス動作に若干「分離した」感じがするかもしれない。
  • このレンズには手ブレ補正(OSS)が搭載されているが、α7Rとの組み合わせでは、シャッターショックのために、手ブレ補正があまり良好に機能しなかった。フィールドテストで、ブレていた画像の数が驚くほど多く、特に通常のシャッター速度でブレているものが多かった。α7Rユーザーは、このレンズや他のこのクラスの望遠レンズを使うときには、1/500秒以上のシャッター速度を保つべきだ。電子シャッター(※α7は電子先幕シャッター)の使えるα7やα7Sでは状況はずっとよくなるはずだ。
  • 歪曲は、70mmでは1.1%の中程度のタル型で、中間域から望遠端では糸巻き型に変わる(200mmで-1.14%の糸巻き型)。これは一眼レフ用の同クラスのレンズと同じような値だ。当然ながら、自動補正有効時は歪曲は十分に補正される。
  • 周辺光量落ちは、開放では1.1EV(広角端)から1.5EV(望遠端)の間で変化する。この大きさの周辺光量落ちは通常目に付くが、フルサイズとしては標準的な値だ。F5.6まで絞ると周辺光量落ちの大部分は解消し、F8以上では無視できる値になる。自動補正を有効にすると、広角側は基本的に無視してよい値になるが、135mm以上は若干の周辺光量落ちの痕跡が見られる(200mmで0.78EV)。
  • 解像力は、中央の値は70mmがベストで、開放からF11に至るまで素晴らしい値(excellent)だ。周辺部は概ねとても良好な値(very good)で、隅はF4では若干弱いが、F5.6以上では追いつく。
  • ズーム中間域(135mm)はこのレンズのスイートスポットで、中央の解像力は(70mmより)わずかに下がるが、周辺部はずっと良好になり、F8では画面全域で素晴らしい解像力(excellent)になる。これは特にズームレンズとしては稀なことだ。
  • 200mmでは若干解像力が落ち、中央はとても良い(very good)から素晴らしい値(excellent)で、周辺部は良い(good)からとても良好(very good)な値だ。隅は開放では甘いが、F5.6まで絞れば改善する。このレンズの解像力は、ほとんどの条件で素晴らしいものだ。
  • 像面の湾曲は概ね小さかった。
  • 倍率色収差は自動補正することができ、これは副作用のない補正なので利用するのが得策だ。しかしながら、このレンズは、倍率色収差は平均で1ピクセルかそれ以下で、非常によく補正されている。
  • 玉ボケは、玉の内側が若干うるさく見えるかもしれないが、かなり均一な描写だ。玉の形はF5.6までは円形を保っているが、F8では絞りの形がわずかに見える。前ボケは絹のように滑らかで、後ボケも良好だが完璧ではない。軸上色収差(ボケの色付き)は、開放でも目立たない。
  • 70-200mm F4 G はいくつかの弱点もあるが、間違いなくハイクオリティなレンズだ。解像力は隅が甘くなる200mm開放時を除けばとてもハイレベルだ。鏡筒の機械的な造りも実に素晴らしい。このレンズは、たとえOSSを使用する場合でも、シャッターの振動が非常に大きいα7Rとは組み合わせるべきではない。しかしながら、α7とα7Sは、このレンズの真の性能を引き出すことができるはずだ。(大いに推薦)

 

光学性能は5点満点中3.5点で、とても良好な評価となっています。解像力は望遠端の開放で隅が少し落ち込む以外は非常に優秀で、望遠端でも1段絞ると大きく改善するのであまり問題はなさそうです。

少し気になるのが、α7Rとの組み合わせでシャッターショックによるブレの影響が指摘されていることで、これは手ブレ補正を使っても防げないということなので、α7Rのユーザーの方は、このレンズを使う際には、少し注意が必要かもしれませんね。