・Fujifilm Fujinon XF 50-140 mm f/2.8 R LM OIS WR
- ズームリングはスムーズで十分な重さがある。フォーカスリングには距離目盛りが無い。フォーカスリングはモーターで駆動で動作し、これは見事な出来だ。無限遠から最短までの回転角は360度もあり、マニュアルフォーカスでは、非常に高精度なピント合わせが可能だ。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
- 手ブレ補正の効果は、望遠端でのテストでは4.3段分に達しており、非常に良好だ。
- 解像力はズーム域にかかわらず均一性が高いが、広角端と望遠端よりも中間域が低い。中央の解像力は、開放で51-59lpmmで良像の基準レベル(42-43lpmm)を大きく上回っており、開放から全く問題のない画質だ。解像力のピークはF4からF5.6で、このとき72lpmmに近い値になる。この値は、ハイクオリティな単焦点レンズに非常に近いレベルだ。中央の解像力には弱点は無く、拍手喝采だ。
- 隅の解像力は中間域が弱く、中間域の開放では基準となる値を超えない(36lpmm前後)が、幸いなことにF4に絞れば基準値を超える。広角端と望遠端は開放から十分に実用的な解像力(50mm開放で44lpmm前後、140mm開放で43lpmm前後)だ。隅は50mmがベストで、絞ると60lpmmの非常に良好なレベルに達する。
- 軸上色収差は問題はなく、開放ではわずかに色が見られるが、F4に絞ると解消する。倍率色収差も同様によく補正されており、最も高くなる140mmでもかなり低い値で、広角側では無視できる値だ。富士フイルムの技術者に拍手。
- 歪曲は、JPEGでは自動補正されるので、-0.02~+0.09%の大きさで目に付かない。RAWでは50mmでは+0.51%のわずかな糸巻き型で問題はあまりないが、70mmで+1.28%、90mmで+1.54%、140mmで+1.95%と望遠側に行くに従って大きくなる。このような高価なプロ向けのレンズで、歪曲補正を後処理で補正するのはあまりいい考えだとは思わない。
- 周辺光量落ちはJPEGでは自動補正され、50mm開放で12%(-0.39EV)、140mm開放で15%(-0.46EV)のわずかな値だ。RAWでは50mm開放では37%(-1.33EV)で、F5.6まで絞ると解消する。140mm開放では43%(-1.65EV)で最も高い値になり、絞ってもF4で27%(-0.92EV)、F5.6で21%(-0.67EV)でそれほど速く改善しない。周辺光量落ちは、このクラスのレンズとしてはそれほど良好ではない。
- 逆光ではいくらかフレアが見られるが、それほど激しいものではなく、ライバルと比べて、このレンズの逆光耐性はずっと良好だ。
- AFはノイズレスで速い。通常の状況では、AFは無限遠から最短まで0.5秒かからないが、暗い場所では特に望遠端では、AFが迷って時間がかかることがある。AFを外したのは、スタジオ内のテストでは1-2%で、AF精度に問題はない。前ピンや後ピンの傾向もなかった。
- 最近のフジノンレンズの結論は実質的に同じようなものだ。このレンズも同様で、光学性能と機械的な造りは非の打ち所の無いものだが、価格が非常に高い。価格がもっと安ければ、このレンズは、ほとんど欠点が無く実に素晴らしいレンズで、誰もがその画質と全体的な性能に感激すると確信しているが、残念ながら、このような価格では購入する人は多くはないだろう。
- 良い点: しっかりした防塵防滴の金属鏡筒、中央の素晴らしい画質、隅の良好な画質、色収差が適切に補正されている、球面収差に大きな問題がない、許容範囲内の歪曲、コマ収差が目につかない、逆光耐性が比較的良好、高速で静かなAF、素晴らしい手ブレ補正、付属品が豊富。
- 悪い点: 90mmで非点収差が大きい、周辺光量落ちがもう少し抑えられていればよかった。
50-140mm F2.8 は、価格に関してはかなり厳しい評価となっていますが、光学性能や機械的な部分に関しては非常に高い評価になっているようです。解像力は中間域で隅の解像力が若干低くなる部分があるものの、全体的にはかなりハイレベルという印象です。
マイナスポイントはほとんど価格に関する部分ですが、日本では元記事が書かれたポーランドよりはずっと安価に購入できるので、日本国内の価格で考えればもっと評価が高くなるかもしれませんね。
hui
正直ここまで電子歪曲補正されている事が残念です。
猫
性能がよいレンズが高い、ってだけの話ですよね。
フジはライカのようなプレミアルメーカーを目指すのでしょう。
ikpp
N.Mさん
オリ40-150mmF2.8PROとの比較は,僕もとても気になっていたので参考になりました。情報および翻訳ありがとうございました。
フジは3倍ズームでオリは4倍ズームと考えると,以下2点の意見は納得できますね。
>・フジの方が光学的に僅かに優れていると思う。
>・実際のところ焦点距離の違いから、両レンズは異なるタイプのレンズだと感じる。
ジェイコプスラダー
以前紹介されたレビューと違い、望遠域ではなく中間域が比較して多少甘い、との評価。
望遠側のF4.0の解像度ピークが70lpmmを超えていて、とても実用的と思いました。
この性能ならフジの大三元望遠は、このレンズでいいやって納得できます。
あとは、フジから高性能なテレコンが発売され、換算300mmの解像力がとても優秀というオチを期待します。
N.Mさん
情報提供ありがとうございます。
M4/3とのマルチマウントの身なので参考になりました。
ただ、210mmまでの世界と300mm超の世界は全然違いますね。
ゆーと
換算70-200mmF2.8と考えたら、妥当な値段なのかもしれませんが・・
やはり、ボケ量や、フルサイズ換算なしに考えた解像力といったことを考えると、国内価格でも、高いナ~と感じてしまいます。
フジの当初の短焦点レンズは、価格性能比が高いという印象を与えてくれていただけに(特に35mmフルサイズ換算比かもですが)、最近のレンズ群の価格には疑問を持ってしまいます。
このマウントでいこう!と考えてましたが・・・
こりゃ見直しが必要かもですね。
でも、エントリー見切って、今後も、こういうレンズしか投入してこないなら、ボクにとっては、Xマウントの魅力はほとんどなくなります。
XF60mmだけ買って、あとは、別マウントの模索かなー・・
Canonはレンズが揃っているだけにEOS40DレベルのAPS-Cのいいボディさえ出してくれれば、何時でも戻るつもり(魅力的なパンケーキも出してくれましたしね!)
エントリー見切りとか。
フジは最近、迷走している感が否めません。画質はとても良いので好きなのですが・・・なんだかなーって感じがしています。あくまでも、個人的には、ですが・・
なんきんまね
個人的に、この二本は焦点距離の違いから比較にはならないと思ってます。
また、このレンズの価格が高すぎるという声が多いようですが、家電量販店の実売価格で比較してみると、その価格差は約二万円強程度です。
むしろこの程度の価格差なら50-140の方が割安に感じるのは私だけでしょうか?
P7000freak
ツアイスやライカのレンズなら「最高の画質を手に入れるにはこの程度の出費はやむを得ない」となり、日本メーカーのレンズだだと「光学的にも機械的にも非の打ちどころがない、これまでで最高のレンズ」でも「価格が高すぎる(ライカ、ツアイスの半分、1/3であっても)」となるわけですね。
これが日本企業のブランド戦略の限界なのかなと思います。車、時計、宝飾・・・みんなそうですね。
E1E2E3
50-140は富士のレンズの中でも大三元の一つなので、今の日本での販売価格はむしろ安いように思えます。
他社でもこのクラスのものは高いです。
このクラスのものを安売りしろと言うのは、メーカーに赤字になれと言っているようなものです。
pon吉
他の方の言う通りレンズに関しては数字だけ合わせるのではなく、描写のキャパで価値を考えている人も増えて来ているでしょうから、このレンズに関しては価格も高め、重量も重めという感想は妥当な気がします。
ただフジはその辺りも充分認識してカメラを考えている企業(だからこそ最初にF2.8-4のズームを揃えた)だと思っているのでユーザーを煙にまくようなF値だけ揃えてコンパクトです、みたいなアピールをあまりしていませんからね。
このレンズは力を入れて作った結果高く、重くなったという事でしょうから、こういうレンズも有ですけどね。
貧乏暇なし
そんなに不条理に高くはないでしょう。オリの40-150とたいして変わらないし。
それより問題はフジのボディに望遠自体があんまり似合わない事にあります。