シグマ24mm F1.4 DG HSM Art はライバルをしのぐ光学性能

LensTip に、シグマの広角単焦点レンズ「24mm F1.4 DG HSM Art」のレビューが掲載されています。

Sigma A 24 mm f/1.4 DG HSM

  • フォーカスリングは十分な重さがありスムーズに回転する。フォーカスリングの回転角が90度しかないのが残念で、より正確なピント合わせには120-150度の回転角が必要だ。
  • 中央の解像力は、開放で35lpmm(良像の基準値は30-32lpmm)に達しており、素晴らしいとしか言いようがない。F2.2では40lpmmを超え、F5.6-8でピークに達し45lpmmに近い値になる。この性能は称賛に値する。
  • APS-Cの隅の解像力は、開放では良像の基準レベルを若干下回る(28lpmm前後)が、それに近い値を維持している。F2とF2.8では良像の基準値を超え(31-33lpmm前後)、F4では良好な画質になる(36lpmm前後)。APS-Cの隅の解像力も称賛に値する。
  • フルサイズの隅の解像力は、F1.4とF2では基準値を顕著に下回るレベル(19lpmm-27lpmm前後)で、F2.8まで絞って初めて許容範囲の画質(31lpmm前後)になる。フルサイズの隅の解像力は最も厄介な問題だ。
  • 旧型のシグマ24mm F1.8 EX との比較では、24mm F1.4 Art のアドバンテージが非常に大きい。キヤノンEF24mm F1.4L II との比較では、開放ではシグマが顕著に良好で、F2ではごくわずかにシグマが良好だ。F2.8-F8ではキヤノンが若干リードしている。シグマとキヤノンのどちらかを選ぶならシグマがベストだ(開放時のアドバンテージが大きいため)。
  • サムヤン24mm F1.4 との比較では、F5.6まで絞ればサムヤンはシグマと張り合えるが、シグマが目立って良好だ。ニコンのAF-S 24mm f/1.4Gとの比較でもシグマの方が良好だ。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は、F1.4とF2のどちらでも見られるが、顕著ではない。これは中間レベルと低いレベルの間で、ライバル(ニコンとキヤノンの24mm F1.4)と比べて遜色がない。
  • 倍率色収差は開放で0.05%を下回る非常に低い値で、絞ると色収差は増えるが0.09%を超えることはなく、中間レベルにすら達しない。倍率色収差の少なさは、間違いなく称賛に値する。ニコンやキヤノンはシグマよりも若干悪い値だ。
  • フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲はフルサイズで-1.2%のタル型で、これはキヤノンEF24mm F1.4L II と同等の結果で、ニコン(-2.03%)とサムヤン(-2.48%) と比べると顕著に良好だ。
  • 周辺光量落ちは、フルサイズでは開放で64%(-2.94EV)の非常に大きい値だが、キヤノンは-4.4EVであることを考えると、シグマは良好に思える。サムヤンも65%(-3.05EV)でシグマよりも少し悪い。ニコンは54%でここではベストだ。シグマはF2では周辺光量落ちは41%(-1.54EV)で、まだ大きい。F2.8まで絞ると22%(-0.71EV)の穏やかな値になる。
  • 逆光では開放ではフレアは大きな問題ではないが、絞ると状況は大きく変わり、光源が画面外にある場合でもフレアが現れることがある。しかし、大きなコントラストの低下が見られないので、少し問題が軽減されている。
  • AFは明るい場所でも無限遠から最短まで1秒以上かかるので、AF速度には不満がでるかもしれない。ニコンとキヤノンはシグマの2倍近いAF速度だ。キヤノン場合はフォーカスリングの回転角が160度(シグマは90度)もある。
  • AF精度に関しては、スタジオのテストでピントを外したのは5%未満で大きな問題はない。前ピンや後ピンは完璧ではなく、50Dでは後ピンの傾向が見られた(5D3ではそのような問題は見られなかった)。
  • AFは、カメラメーカーとの比較するとシグマの弱い部分だ。光学性能はシグマがキヤノンやニコンの24mm F1.4 よりも若干優っていて、シグマの価格がずっと安いことを考えると、これ以上に勧められる製品は無い。
  • 良い点: 造りがハイクオリティ、中央の素晴らしい解像力、APS-Cでの隅の良好な解像力、軸上色収差と倍率色収差が適切に補正されている、球面収差の問題がない、歪曲がわずか、非点収差がそれほど大きくない、静かで正確なAF。
  • 悪い点: コマ収差が大きい、フルサイズでは周辺光量落ちが大きい、AFが遅い。

 

シグマ24mm F1.4 は、ライバル各社の24mm F1.4 をしのぐ光学性能で、価格を考えるととても優秀なレンズという印象です。開放付近では隅は少し甘いようですが、F2.8まで絞れば隅まで十分に高い解像力になるので全く問題はなさそうです。

AF速度の遅さが指摘されているのが気になるところですが、24mmで動体を追いかけるケースは少なそうなので、実際にはあまり問題はないかもしれませんね。