シグマ50-100mm F1.8 DC HSMは開放から極めてシャープなレンズ

LensTip に、シグマの大口径望遠ズーム50-100mm F1.8 DC HSM Art のレビューが掲載されています。

Lens review Sigma A 50-100 mm f/1.8 DC HSM

  •  鏡筒のサイズは非常に大きく、フルサイズ用の70-200mm F2.8 に近い。ズームリングはスムーズに回転するが、かなり重い。フォーカスリングはスムーズで十分な重さがあり、遊びは全くない。フォーカスリングの回転角は150度で、非常に正確なピント合わせが可能だ。フォーカシングでフィルター枠は回転しない。
  • 中央の解像力は、開放で55lpmmに近い値(良像の基準値は34-35lpmm)で、適切な言葉が見つからないほど途方も無くシャープだ。更に、F2.8に絞るとズーム全域で59lpmmになり、これまでの記録を破る値を達成している。APS-C用のレンズで、これ以上の性能のレンズはこれまでに見たことがない。
  • 隅の解像力は、ズーム全域で開放で42-44lpmmのしっかりとした値で、これまでの記録を破ってはいないが、不満は微塵もない。このレンズの解像力にはウィークポイントはない。
  • 軸上色収差は望、遠端では非常によく補正されているが、50-70mmではいくらか問題がある。しかし、それでもなお軸上色収差は中程度のレベルで、欠点とは言えないだろう。
  • 倍率色収差は少なく、一番目立つ50mmでも0.08-0.09%で、低いレベルと中間レベルのボーダーライン上で、全く不満は無い。
  • 球面収差の補正は完璧ではなく、望遠側でわずかなフォーカスシフトが見られる。
  • 歪曲は50mmで-0.17%のわずかなタル型、100mmでは+1.35%の糸巻き型で、問題は無い。
  • コマ収差は素晴らしくよく補正されており、拍手喝采だ。非点収差はズーム域にかかわらず非常に少ない。
  • 周辺光量落ちは、50mm開放で29%(-1.00EV)、100mm開放で33%(-1.17EV)で、F1.8の大口径ズームとしては間違いなく良好な結果だ。この値は、フルサイズ用のF1.8の単焦点レンズをAPS-C機で使った時と比べてもそれほど劣らない。
  • このレンズはフルサイズでは四隅が真っ暗になってしまって使えないが、周辺光量落ちの状況からAPS-HのEOS-1なら使えるだろう。
  • 逆光耐性は完璧からはほど遠く、望遠側にズームした場合と、絞った場合により深刻になる。
  • AFは完全にノイズレスで、AF速度は平均的だ。良い条件ではAF精度の問題はなく、スタジオでのテストでもそれが確認されているが、悪条件ではしばしばAFを外した。しかし、F1.8の明るさと100mmの焦点距離の組み合わせはAFには非常に厳しい状況だ。
  • AFは50mmではわずかな後ピン、100mmでは前ピンの傾向が見られたが、これはわずかな量で、キャリブレーションで補正することができた。
  • シグマの50-100mmは、補正が難しいズームレンズにもかかわらず、これまでにテストしたレンズの中で最もシャープなレンズの1つだ。価格はこれまでのArtシリーズのレンズよりも高価だが、ニコンやキヤノンのレンズなら、間違いなくこれよりも遥かに高くなるだろう。
  • 良い点: 他には無いスペック、しっかりとしたスタイリッシュな鏡筒、卓越した中央の解像力、とても良好な隅の解像力、倍率色収差がわずか、歪曲の問題が無い、コマ収差の補正が素晴らしい、非点収差がごくわずか、周辺光量落ちが穏やか、素晴らしいボケ、静かで正確なAF。
  • 悪い点: 逆光耐性が不十分、若干球面収差の問題が見られる。

 

シグマの50-100mm F1.8 は、開放からズーム全域で見事な解像力で、とてもF1.8の大口径ズームとは思えない性能ですね。色収差や周辺光量落ちも優秀ですが、逆光耐性はサンプルを見る限りでは今ひとつのようです。

あと、周辺光量落ちのテストで、APS-HのEOS-1で使えそうと記載されているので、同じAPS-Hセンサーのsd Quattro-Hでも使えるかもしれませんね。