シグマ30mm F1.4 DC DNは開放から画面全域で実用的な解像力

LensTipに、シグマの30mm F1.4 DC DN Contemporaryのm4/3機によるレビューが掲載されています。

Sigma C 30 mm f/1.4 DC DN

  • フォーカスリングはモーター駆動で、最短から無限遠までの回転角は220度だが、回転角はフォーカスリングを回す速さによって変わる。フォーカシングで前玉は回転しない。
  • 中央の解像力は、ピークで83.8lpmm(良像の基準値は44-45lpmm)で、これはこれまでのm4/3用レンズのレコードホルダーだったフォクトレンダー0.95/25の記録をしのいでいる。パナソニック25mm F1.4 と比較すると、ピークではパナソニックが後れを取っているが、開放ではパナソニックが5lpmm優っている(シグマは開放で約53lpmm)。
  • 隅の解像力は開放からしっかりとした値(45lpmm前後)で、F1.4とF2ではシグマがパナソニック25mm F1.4に優っており、素晴らしい結果だ。F2.8で両者は同等の解像力(約59lpmm)になり、それ以上絞るとパナソニックが若干リードする(シグマはピークで約63lpmm)。
  • このレンズは、ピークの解像力がこれまでの記録を破っているだけでなく、開放から画面全域で実用的な解像力を実現しており、解像力に関しては弱点は無い。
  • 軸上色収差の補正は完全ではなく、F1.4とF2では目立つ。軸上色収差は中程度で、これは実写でも状況によっては目に付くだろう。
  • 倍率色収差は開放時は0.09%で、低い~中程度のレベルだが、1段以上絞れば0.04%前後のごくわずかな値になる。
  • 軸上色収差のテスト画像から、F1.4からF2に絞ると若干後ろ側にピントが移動しているのが見て取れる。フォーカスシフトはわずかだが、これは球面収差の補正が理想的ではないことを示唆している。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され-0.30%で目には見えない。RAWでは-1.10%で、これは高い値ではないが、この画角のレンズとしては少し大き目の値だ。
  • コマ収差は、全く問題が無く、パナソニック25mm F1.4やオリンパス25mm F1.8よりも良く補正されている。非点収差は6.2%で、画質への影響は大きくはない。
  • 周辺光量落ちは、開放で38%(-1.39EV)で、APS-C用に設計されたレンズとしては低い値とは言えないが、それでもなお、パナソニック25mm F1.4よりも11%低い値だ。幸いなことに絞ると周辺光量落ちは素早く解消する(F2で16%、-0.51EV)。
  • 逆光耐性は、開放付近では全く問題なく、フレアやゴーストを出すのは難しかったが、絞ると、多くのフレアやゴーストが現れる。逆光耐性は特別に悪くはないが、批判される可能性のあるカテゴリだ。
  • AFは無限遠から最短まで約0.6秒で、非常に速いわけではないが問題はない。AFの作動音は全くしない。AF精度は、スタジオ内のテストでは1度のミスもなく実に良好だった。
  • シグマ30mm F1.4 はパナソニック25mm F1.4 よりも安価で高性能で、特に価格を比較すると、パナソニックは厳しい。
  • 良い点: 鏡筒のクオリティ、中央のセンセーショナルな画質、隅の非常に良好な画質、倍率色収差がわずか、歪曲が穏やか、ボケが心地よい、静かで正確なAF、コストパフォーマンスが良好。
  • 悪い点:逆光耐性が今ひとつ。

 

シグマの30mm F1.4 の解像力は優秀で、他に大きな欠点も無く、価格を考えると非常によくまとまっているようです。逆光耐性が指摘されていますが、サンプルを見る限りでは、絞ったときのゴーストは目立つものの、開放時は良好で、全体的としては許容範囲内という印象です。