富士フイルムXF23mm F2 R WR は使う喜びのあるレンズ

LensTip に、富士フイルムの広角単焦点レンズ「XF23mm F2 R WR」のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XF 23 mm f/2 R WR

  • フォーカスリングは、フォーカスバイワイヤ(モーター駆動)で、非常に正確なピント合わせが可能だ。フォーカシングで前玉は回転しない。
  • 中央の解像力は、開放で既に48lpmmを超えており(良像の基準値は42-43lpmm)、実に素晴らしい。解像力のピークはF4~F5.6時の73-74lpmmで、これはXF23mm F1.4の解像力(70lpmmをわずかに上回る)を超えている。
  • 隅の解像力は、批判される可能性があるのは開放時(約41lpmm)だけで、F2.8以上に絞れば完全に実用的な解像力になる。ピークの解像力は51lpmmをわずかに超える値で、55lpmmに達するXF23mm F1.4の方が優れている。隅の解像力は、XF23mm F1.4よりも明らかに弱い。
  • 軸上色収差は、ほとんど見られず、これは軸上色収差が多いXF23mm F1.4と比べると、よい意味で目立っている。
  • 倍率色収差は開放では0.04%をわずかに超える値で、絞ると0.07%まで増加する。この値は、「非常に低い」~「低い」値で、実写では気にならないはずだ。この結果は、XF23mm F1.4(絞り値にかかわらず常に0.07-0.08%)と比較して若干良好だ。
  • 球面収差の補正は完璧ではないが、大きな問題はない。テスト画像では、フォーカスシフトは全く見られなかった。
  • 歪曲は、JPEGで+0.06%、RAWで+0.05%で、実質的にゼロだ。このような画角のレンズとしては、この歪曲の補正は素晴らしい成果で、賞賛に値する。
  • コマ収差はとても目に付くが、XF23mm F1.4やXF35mm F2と比べれば、XF23mm F2が最も少ない。非点収差は5.7%の穏やかなレベルで、不満は無い。
  • 玉ボケは同心円状のリングと輪郭が目立ち、23mm F1.4や35mm F2よりも悪く見える。
  • 周辺光量落ちはJPEGでは自動補正されるが、それでもなお開放で28%(-0.93EV)だ。RAWでは開放で56%(-2.35EV)の極めて大きな値で、これは23mm F1.4の開放よりも悪い結果だ。周辺光量落ちはF2.8に絞っても40%(-1.49EV)で、まだ目立つ。
  • 逆光耐性は、実用的なもので、多くのケースでゴーストやフレアなどの問題はなかった。例外は、太陽が画面の隅の近くにある場合で、特に絞っていると、写真がフレアで台無しになるかもしれない。
  • AFの作動音は無く、速度は良好だ。AFのミスは1%未満で、AF精度の問題は全くない。
  • XF23mm F2は、小さく格好の良い防塵防滴のレンズで、光学性能は良好だ。周辺光量落ちやコマ収差の大きさに不満を言う人もいるかもしれないが、これらの改善はレンズをより大きくすることを意味するので、このレンズの重要な売りの1つが失われてしまう。このレンズは使う喜びのあるレンズで、大いに推薦できる。
  • 良い点:扱いやすいがしっかりしている防塵防滴の鏡筒、中央の素晴らしい画質、隅の実用的な画質、軸上色収差が見られない、倍率色収差が少ない、球面収差に目立った問題が無い、歪曲が実質的にゼロ、非点収差がわずか、静かでまずまず速く正確なAF。
  • 悪い点:コマ収差が顕著、RAWでは周辺光量落ちが非常に大きい。

 

富士フイルムのF2シリーズは、扱いやすいサイズでAF速度も重視したレンズですが、光学性能もF1.4シリーズのレンズに負けていないようで、全体的に上手くまとまっているという印象です。

RAW(未補正時)の周辺光量落ちだけは少々気になるところですが、これは自動補正前提なのかもしれませんね。