キヤノンEF35mm F1.4L II はこのクラスで最高の性能のレンズ

dpreviewに、キヤノンの広角単焦点レンズ「EF35mm F1.4L II USM」のレビューが掲載されています。

The whole nine yards: Canon 35mm F1.4L II USM review

  • 35mm F1.4L II は旧型よりも31%重く、23%長いが、5DsRのような大きさのフルサイズ機とのバランスは良好だ。鏡筒の造りは、キヤノンのLに期待するプロレベルの水準をも超えている。
  • AFモーターはリングタイプUSMだが、最新のものに換装されており、近距離(2m)から無限遠までは平均で0.3秒と、トップクラスの速さだ。
  • フォーカスリングは滑らかで、申し分の無い重さがある。フォーカスリングの回転角は150度で、多くのズームレンズよりも大きく、ピントの微調整も上手くできる。
  • このレンズの解像力はズバ抜けており、旧型とは別次元だ。このレンズは、現在販売されている35mm F1.4の中で最もシャープなレンズで、我々がテストした200mm以下の焦点距離のレンズで最も解像力が高い。
  • 強力なOtus 55mm F1.4と評価の高いシグマ35mm F1.4 Artも良好な性能だが、開放時の隅の解像力でキヤノンが優っている。EF35mm F1.4の開放時の画質は、並外れている。このレンズは、高解像力を得るために絞る必要がない。
  • 実写でも旧型からの画質の改善は明白で、特に隅では、新型の方がずっとよく収差が補正されている。旧型はパープルフリンジが目立つが、新型ではよく抑えられている。
  • 歪曲は旧型は穏やかなタル型だが、新型では、ごくわずかなタル型で、ほとんど目に付かないだろう。新型の歪曲の小ささは、このクラスでトップで、旧型から大きく改善されている。
  • 周辺光量落ちは開放で2.3EVで、F2.8~F4に絞ると解消するが、これは意外なことに旧型よりも0.3EV悪くなっている。
  • 軸上色収差では、新型に採用されたBRレンズの効果は納得の行くもので、キヤノンは軸上色収差の補正では、このクラスで最低だったが、新型でクラストップにまで上り詰めている。
  • 倍率色収差も非常に少なく、残っているわずかな収差も後処理で簡単に除去できる。
  • 逆光耐性は極めて良好で、旧型よりも優れており、どの絞り値でもより多くのディテールが維持されている。新型では、フレアが全く見られないのは注目に値する。
  • フォーカスシフトの問題は、近接撮影時も含めて全くなかった。
  • EF35mm F1.4L II は、際立った画質で、造りも極めて頑丈だ。このレンズに近い性能のライバルもあるが、全体としてEF35mm F1.4L II に匹敵する製品は無い。弱点は高価なことと重いことだ。
  • 良い点:極めてシャープ(このクラスで最高)、開放での画面全域のズバ抜けた性能、BRレンズによって軸上色収差と倍率色収差の両方が良く補正されている、高い逆光耐性、魅力的なボケ、高速で静かで高精度なAF、ミリタリーグレードの造り。
  • 悪い点:ライバルと比べて大きく重い、手ブレ補正が無い、高価。

 

発表時にはBRレンズの採用で注目を集めたキヤノンのEF35mm F1.4L IIですが、光学性能は全体的に非常に優秀で、特に解像力に関しては、OtusやシグマArtを上回る並ぶもののない性能のようです。また、その他の収差もとてもよく補正されているようですね。

加えて、逆光耐性も優秀でボケも綺麗ということなので、価格の高さや大きさ重さを除けば、申し分の無いレンズと言ってよさそうです。