LEICA M10から動画機能を省略したのは顧客の要望が多かったため

Leica Rumors に、ライカの開発陣の主にLEICA M10に関するインタビューが掲載されています。

Leica M10 interview

  • (M10で動画機能が削除されたのはなぜ?)顧客への調査で、多くの顧客が、動画は必ずしも必要ではないと言っているからだ。Typ240には、動画機能があるから購入しなかったと言っている人さえいた。なのでOKだ、動画を削除しよう。ファームウェアで、Typ240の動画ボタンを無効にして欲しいという要望さえあった。もう1つの理由としては、プロの動画ユーザーのニーズに応えるにはHDMIやマイク端子が必要になるということで、我々は純粋なレンジファインダーによる撮影のための製品を造ることに決めた。
  • (Typナンバーを止めて元の命名規則に戻すのか?)ポルシェ911が常に911で、912や913にならないように、LEICA M は LEICA M なので、Mの後に数字を付けるのを止めたが、我々の意図に反してTypナンバーが機種名になってしまった(Typナンバーは単に区別のための数字のつもりだった)ので、元の機種名に戻すことにした。
  • (LEICA M10のセンサーは新型なのか?)新しいセンサーなのは事実だ。SLやQと画素数は同じ24MPで、性能も似ているが同じセンサーではない。Mレンズは、特にマイクロレンズやガラスパッケージに特殊な設計を必要とする。
  • (MレンズをM10に付けたときと、他のカメラに付けたときの違いは?)最も目立つ違いは、周辺部の性能だろう。LEICA SLは他社のカメラと比べるとMレンズ用として良好なカメラだが、LEICA Mほど良くはない。MレンズのためにベストなカメラはLEICA Mで、その次はSLで、次いでその他の全てのカメラだ。
  • (LEICA M10の開発期間は?)プロジェクトを開始してから、2年を少し超える。物理的な開発期間はおよそ2年だ。
  • (センサーを製造しているのはどこ?)1つのベンダーではなく、いくつかの企業と取引をしており、少々複雑だ。なぜならば、画素はある企業で、パッケージングは別の企業で、ガラスは第3国で製造している。少なくも1ダースの国が関係している。
  • (ボディを薄くするために必要だったイノベーションは?)M10では、大きなメイン基板を分割したため、従来は3層だったメイン基板をセンサーボードと共に1層にすることができ、ボディを薄型化することができた。
  • (M10のパーツの数はどのくらい?銀塩のMPと比べると?)銀塩カメラは約1200のパーツで出来てる。デジタルは700を少し超えるパーツだ。これは、銀塩カメラのシャッターは、腕時計に似た構造だからだ。
  • (バッテリーは全く新しいものか?)Typ240のバッテリーよりも小さくする必要があったので、全く新しいものだ。しかし、レンジファインダー使用時は500~600枚撮影することができるので、M9よりもバッテリーライフは良くなっている。
  • (M Typ240を併売するのはなぜ?)Typ240には動画機能があるが、M10には搭載されないからだ。これがTyp240を購入する理由になる人もいる。
  • (ISOダイヤルを付ける事になった経緯は?)マニュアルで撮影をする際に、ISO感度だけは唯一モニタを使って設定を変更する必要があったので、我々はISOダイヤルを設置することに決めた。
  • (ISOダイヤルが1/3段ではなく1段刻みなのはなぜ?)スペースが狭いためにダイヤルを小さくする必要があったためだ。解決策として、「M」のポジションを選択すれば、メニューから1/3段刻みでISOの設定が可能になる。
  • (RAWファイルがTyp240より小さくなったが、非圧縮RAWは選択できないのいか?)もはや非圧縮RAWは使用できない。我々は、圧縮RAWのみを採用することを決定した。これは、ロスレス圧縮だからだ。多くの顧客が圧縮RAWではカメラの能力をフルに引き出せないと思っているが、圧縮RAWと非圧縮RAWの画質は同じだ。
  • (将来、デュアルカードスロットになるのか?)2つ目のスロットのスペースが必要だが、将来、基板がより小型化されれば可能だ。

 

動画機能に関してはかなりユーザーからの拒否反応が多かったようですが、ライカには現在、動画に強いミラーレス機のSLシリーズもあるので、Mから動画機能を削除しても問題はなさそうです。

機種名に関してはM TypXXXの名称は覚えにくいので、従来のM9、M10、M11・・・のような形の方が直感的でいいかもしれませんね。