シグマ100-400mm F5-6.3 DG OS HSM は純正と同等以上の解像力

LensTip に、シグマの新しい超望遠ズーム「100-400mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary」のレビューが掲載されています。

Sigma C 100-400 mm f/5-6.3 DG OS HSM

  •  フォーカスリングは25mmの幅で、むらなく均一に回転する。最短から無限遠までの回転角は約120度だ。ズームリングは十分な重さがあり、むらなく回転する。ズームロックスイッチが用意されているが、残念ながら100mmでしかロックできない。
  • 手振れ補正は最大で3.7~3.8段分の効果で、とても良好な結果ではあるが、まだメーカー純正より若干劣っている(キヤノンEF100-400mm F4.5-5.6L IS II は4段分、ニコンAF-S80-400mm F4.5-5.6G ED VRは4.3-4.5段分の効果)。
  • 解像力は、中央は、わずかな問題すらなく、旧型のニコン80-400とキヤノン100-400よりも大幅に優れており、更に、新型のニコン80-400mmよりもかなり良く、新型のキヤノン100-400 II より少し良好だ。これ以上何を言うことがあるだろうか?
  • 隅の解像力は、最も弱い広角端の開放時が30lpmm付近(良像の基準値は30-32lpmm)で「良好」のレベルのボーダーライン上だ。200mmは最も解像力が高く、ピークでほぼ40lpmmに達する。ここでは、シグマはニコンには優っているが、キヤノンにはわずかに負けている。
  • 軸上色収差は、200mmでも400mmでも良く補正されており、ほとんど問題は無い。
  • 倍率色収差は、絞り込むと大きくなるが、それでも中程度のレベルで問題はない。それ以外の条件では、低い~非常に低いレベルだ。倍率色収差は、シグマは高価なライバル達(ニコン、キヤノン)と互角で、トップレベルの性能だ。
  • 球面収差には顕著な問題は無く、フォーカスシフト(絞りによるピントの移動)は全く見られない。
  • 歪曲は、100mm、200mm、300mm、400mmで、それぞれ+0.64%、+1.52%、+1.59%、+1.56%の糸巻き型で問題は無い。このカテゴリでは、シグマは、ニコンとキヤノンよりも若干劣っている。
  • コマ収差は、隅でも顕著なデフォルメは見られず、ニコンとキヤノン同様に全く問題は無い。
  • 非点収差はわずか2.6%で、非常に低いレベルだ。ここではシグマは、ニコン、キヤノンよりも優れているが、シグマとニコンの差は誤差の範囲内だ。
  • ボケは気持ちが良く、ズームレンズとしては悪くない。玉ボケは、周囲の輪郭が目立つこと以外は問題無い。
  • 周辺光量落ちは、100mmで41%(-1.54EV)、400mmで39%(-1.45EV)で、ニコン、キヤノンに後れを取っている。
  • 逆光耐性は、問題が無いわけではないが、それほど深刻ではない。シグマの逆光耐性はニコンと同程度で、キヤノンよりは若干劣っている。
  • AFは、最短撮影距離が1.6mと長いにもかかわらず、速度は速くはなく、無限遠から最短までおよそ1秒かかる。加えて、適切に照明されている状況でも、AFは時折迷うことがある。しかし、幸いなことに、通常はAFを外すことはなく、テストでAFを外したのは5%以下だった。前ピンや後ピンの問題は見られない。
  • このレンズには驚かされた。シグマは、ニコン、キヤノン純正よりも、若干暗いレンズで、周辺光量落ちが大きいが、解像力の勝負では勝利している。AF性能はライバルに劣っているが、フォーカスリミッターとUSBドックによるキャリブレーションが助けになるだろう。全体として、このレンズはユーザーの期待に応えるものだと思う。
  • 良い点:ハイクオリティな鏡筒、ズーム全域で素晴らしい中央の画質、隅の良好な画質、球面収差の問題が見られない、倍率色収差がわずか、軸上色収差が見られない、歪曲が穏やか、非点収差が非常に少ない、AFが静か、効果的な手ブレ補正。
  • 悪い点:周辺光量落ちが目立つ、逆光でフレアが多くコントラストが低下する、最短撮影距離がこのクラスで一番長い、AFが遅い。

 

シグマの100-400mm F5-6.3は、このクラスのレンズとしては比較的安価で小型軽量なレンズですが、光学性能は、高価なニコンとキヤノンの純正と比べてもいい勝負で、特に解像力では上回っているのはすごいですね。

ただ、AF速度がウィークポイントのようなので、動き物がメインの方には、純正の方が安心感があるかもしれません。