シグマはソニーシステムの特徴を活かす専用設計のFEレンズも開発している

DPReview に、シグマの山木和人社長のインタビューが掲載されています。

Sigma interview: 'This is just the beginning'

  • (新しいFEレンズ群は基本的にMC-11を付けただけなのか?)MC-11はカメラとレンズの間で交わされる言葉(情報伝達のプロトコル)を翻訳しているが、これは複雑なタスクで、ネイティブスピーカー同士のようにスムーズに会話できない。新しいFEレンズは、ソニー用に最適化されており、レンズ内でソニー用のプロトコルを利用可能で、より高速でスムーズに動作する。
  • (14-24mm F2.8と14mm F1.8の光学性能を比較するとどうか?)性能面ではこの2本は同等だ。24-70mmのような標準ズームはとても設計が困難で、妥協を強いられるが、広角ズームと望遠ズームは非常に良好な性能で、単焦点並みの性能が得られる。
  • (大きく重く高性能なレンズと、小型軽量で光学性能に劣るレンズならどちらを開発する?)個人的には、サイズや重さを犠牲にして素晴らしいレンズを造りたい。シグマがプロに支持される企業になるのが個人的な望みだ。しかし、常にそのようなレンズを開発するのではなく、例えば70mm F2.8マクロは、手ブレ補正を省いて小型軽量化している。
  • (105mmに手ブレ補正が搭載されていないのも同じ理由?)部分的にはイエスだ。周辺光量落ちと軸上色収差、コマ収差で妥協したくなかったこともある。これが、とても大きなレンズになった理由だ。1つでも妥協していたら、もっとコンパクトになっていただろう。
  • (FEレンズ群をソニー用に最初から作り直したらもっとコンパクトになるのか?)広角レンズについてはイエスだ。おそらく、14mm、20mm、24mmは小さくなる。しかし、35mm以上の焦点距離のレンズは、同程度のサイズになるだろう。
  • (ショートフランジバック用に設計すると、広角レンズに最もメリットがあるのか?)イエスだ。ソニー12-24mmは小さいサイズでとても良好な性能を達成している。歪曲は自動補正に頼っているが、驚くほどの性能だ。一眼レフ用のレンズでは、あのサイズであれだけの性能が出せるとは思わない。我々は、以前は、収差の自動補正に懐疑的だったが、最近のアルゴリズムはとても進化している。
  • (APS-CのEマウントレンズを更に開発する考えは?)今年中にもう1つAPS-CのEマウントレンズをリリースする予定だ。おそらくフォトキナ近くになるだろう。
  • (将来のレンズはキヤノン・ニコンと共に、ソニーのフルサイズ機にもフルに対応するのか?)イエスだ。我々は、専用設計のフルサイズのEマウントレンズも開発している。これらのレンズはソニーシステムの特徴を活かしたものになるだろう。これは始まりに過ぎない。
  • (他社のレンズで最近最も印象的だったものは?)ソニーの12-24mmと16-35mm F2.8GMだ。これらのレンズは非常に良いミラーレス用レンズだ。キヤノンの35mm F1.4L II も素晴らしいレンズだ。
  • (70-200mm F2.8 Artを多くの読者が楽しみにしている)それほど遠くない将来にそのレンズが登場するだろう。

 

Artシリーズの単焦点は、今後も妥協の無い大きく重いレンズが登場しそうですね。105mm F1.4の次にどのようなレンズが登場するのかとても楽しみです。

また、シグマは最近登場したFEのArtレンズの他に専用設計のFEレンズも開発しているということなので、今後はシグマのEマウントレンズがかなり増えそうです。

あと、長らく噂されてた新型の70-200mm F2.8 は、それほど遠くないうちのリリースという社長の確約が取れたので、もう噂レベルのレンズではありませんね。