ニコンZ7・Z6でXQDを採用したのは最高のパフォーマンスをユーザーに届けるため

CNET Japan に、ニコンの映像事業部開発統括部長のインタビュー記事が掲載されています。

ニコン「Z7」「Z6」開発の裏側を聞く

  • Zマウントは将来的にFマウントを収束させる布石なのでは?という質問に対し、池上氏は「現時点では、両方ともしっかり続けていく方針」と回答。「いかに両方をきちんと進めていくのかが開発陣のテーマなので、そこにしっかりと取り組んでいきたい」と語る。
  • Fマウントのミラーレスは実現不可能だったのか。これに対し池上氏は、「どうしたら最高の価値を顧客に届けられるか、という視点で開発した」と語った。一番良い解を得るために検討した結果が、マウント径55ミリ、フランジバック16ミリというZマウントだという。
  • 池上氏によると、Fマウントでも物理的接点の強化による性能向上は十分可能だという。しかしながら、「さらにその先の時代を見据えると、このタイミングで更新した方が良い」という判断に至ったと語る。
  • Z7の立ち位置については「D850に相当する、と皆さん見ているのでは」と回答を濁した。フラッグシップのラインであるD1ケタ機に相当する機種については、「今は話せないものの、ご期待ください」と含みを持たせた。
  • 不便ともいえるXQDを採用した理由は何か。池上氏は「今のニコンのカメラについていける性能を持つメモリーカードはXQDしかない。最高のパフォーマンスをユーザーに届けるために、XQDを採用した」と説明。「高付加価値商品に注力するという方針の中で、最高のパフォーマンスをこのカメラで出したい」と理由を語った。また、将来的にはCFexpressカードにも対応する予定だといい、プロフェッショナル用途への志向が伺える。
  • 今後、エントリー向け機やプロ向け機でボディサイズの変化があるかという問いには、「今後のボディサイズについては未定。動画機能などを含め、ユーザーのニーズがどのように変化していくかを慎重に見極めていきたい」とした。
  • ボディ内に手振れ補正の信頼性については、「ロック機構を搭載し、電源オフ時に固定することで信頼性・堅牢性を担保する」と述べた池上氏。なお、光学ファインダーを覗くFマウント機では、レンズ内補正でないと像面が安定しない。そのため、今後もZマウント機はボディ内、Fマウント機はレンズ内と、機構を使い分けていくという。
  • Zマウントではフルサイズを超える大型センサに対応するかという問いに対し、池上氏は「Zマウントはフルサイズに最適となるように設計した」と回答。「フルサイズのミラーレスカメラでは、サイズ感などを考慮すると、このマウント、このフランジバックが最適ではないか」と述べている。
  • ニコンは「Zマウントのレンズ情報はサードパーティに公開しない」と発表している。この点について池上氏は「サードパーティメーカーがリバースエンジニアリングをして開発しているので、今後はおそらくFマウントと同じ状況になるのでは」との予想を示した。

 

フルサイズミラーレスシステムのメディアは、ニコンがXQD、キヤノンがSDと対照的な選択になりましたね。性能的にはXQDが上ですが、入手性や価格ではSDなので、どちらがいいかは意見が分かれそうです。

手ブレ補正に関しては、Zマウントはボディ内、Fマウントはレンズ内と機構を使い分けると述べられていますが、Zマウントの望遠レンズでは、レンズ内補正と併用にになるのかが気になるところです。