キヤノンEOS Rは高感度の画質でライバルに後れを取っている

DPReview のEOS Rのインプレ記事に、スタジオサンプルを元にしたEOS Rの画質のレビューが追加されています。

Canon EOS R image quality: it's all in the details

  • スタジオシーンの撮影には、通常、85mmのレンズを使用しているが、RFマウントにネイティブの85mmの単焦点レンズが登場するまではRF50mm F1.2Lを使用する。

RAWの画質

  • EOS R の画像はEOS 5D Mark IVよりもシャープに見えるが、これはEOS Rのレンズに新型のRF50mm F1.2Lを使用しているためだ(5D4はEF85mm F1.8)。DPReviewのメンバーが、EOS Rには5D Mark IVと同じような標準的な強さのローパスフィルターが使用されていることを確認しているが、使用しているレンズがシャープなので、EOS Rは斜め線の部分のギザギザがいくらか目立つ。
  • 高感度ではEOS Rのノイズレベルは、他のキヤノンのカメラと同レベルだが、ソニーα7 III とα7R III に1段近く劣っており、これはISO25600以上の感度でも当てはまる。高感度性能の違いは、ソニーが採用しているデュアルゲインアーキテクチャーが理由の1つだ。

eosR_comp_5d4_6d2_a7iii_raw_iso12800.jpg

JPEGの画質

  • JPEGの色の良さは引き続きキヤノンの強みで、深みのある赤は5D Mark IVよりも6D Mark II に似ているが、黄色は若干緑に傾いており、これは特に肌の色再現に悪い影響を与える可能性がある。
  • EOS RとこれまでのEOSとの最大の違いは、標準設定のシャープネスが1段階強くなっていることだ。キヤノンは標準プロファイルを少し調整しており、5D Mark IVは標準設定では「シャープネス」「細かさ」「しきい値」の設定がそれぞれ3、4、5だったが、EOS Rでは4、2、4になっている。
  • EOS Rのノイズリダクションは、ディテールの維持に関しては大きくは改善されていないように見える。RAWや低感度のJPEGでは輪郭はくっきりしているが、高感度のJPEGでは他のキヤノン機と比べてもソフトで、このノイズリダクションのアルゴリズムはソニーと比べてかなり遅れを取っている。

eosR_comp_5d4_6d2_a7iii_jpeg_iso12800.jpg

EOS RのRAWの画質は低感度では5D Mark IVよりもシャープに見えますが、これはレンズの違いによるもののようですね。高感度は、ソニー機と比べると、確かにノイズで少し後れを取っているように見えます。

JPEGは低感度はシャープで発色も綺麗で全く問題ありませんが、高感度域になるとEOS Rはどんどんソフトになり、5D4や6D2と比べてもソフトな描写になるのが少々気になるところです。