ニコンZ7のAFは動体追尾では同社の一眼レフほど信頼できない

DPReviewのニコンZ7のインプレ記事に、AF性能のテスト結果が追加されています。

Nikon Z7 AF tested

  • AF-S(シングルAF)は明るい場所ではキビキビと動き正確だ。像面によるAFなので、静物では一眼レフよりもシャープな(正確にピントが合っている)画像が得られる。
  • 中央1点の測距点による動体(遠方から近づいてくる自転車)のAFテストでは、100%に近いヒット率だった。このテストは、露出が固定される9コマ/秒の連写速度で行ったが、5.5コマ/秒の連写でも同じ結果だった。どちらの連写速度でも、約4秒でスローダウンした。また、フォーカス優先でもリリース優先でもAFは同様の結果だった。Z7は中央1点でのAF性能は良好だが、連写ではバッファが持たず、数秒でスローダウンしてしまう。
  • 全ての測距点による動体(遠方からジグザグに近づいてくる自転車)のAFテストでは、途中から被写体を見失い背後にピントが抜けてしまった。このようなAFの動作は、自転車を追尾するケースの多くで見られた。顔認識を使った追尾の場合でも、このテストと同じ傾向が見られた。Z7の動体追尾で一貫していたのは、AFの動きに一貫性が無いことだけだ。
  • Z7のフィールドテストの間に何度もフラストレーションを感じたのは、低照度の被写体や逆光の被写体を撮影する際にAF-Cが迷う傾向があることで、テストでは35mm F1.8のレンズ使用時に、EV0からEV-1の間で顕著に迷いが見られ始めた。しかし、これよりも少し明るいケースでさえ迷いが見られ、作例のようにピントを外す原因となった。
  • AFをフォーカス優先からリリース優先に切り替えると、暗所でのAFの迷いは少なくなるが、ピントが犠牲になる。そして、厳しい逆光の場面では、Z7はしばしば全くピントが合わない。暗所のAF性能は、ライバルよりも2~3EV劣っている。
  • 顔認識は静止している被写体では信頼できるが、動きがあると混乱することがある。我々は、ソニーの瞳認識の信頼性の方を好ましく思う。
  • Z7のAFは静物では正確で、1点の測距点による動体の追尾も正確だが、動体を多点測距で追尾する場合は、ニコンの一眼レフの3Dトラッキングほど信頼できない。我々はニコンの一眼レフのAFは、動体の追尾に関しては操作性と信頼性の両面で最高のものだと考えていたが、Z7は、プロレベルの価格にもかかわらずこの水準には達していない。Z7のAFは、ソニーのロックオンAFのような、トップクラスのミラーレスカメラには遠く及ばない。

 

Z7のAFは、静物や測距点を1点での動体の追尾では全く問題がないようですが、測距点自動選択での動体追尾では、期待通り追尾しないことが多いようで、DPReviewの評価は少々辛口ですね。

また、暗所や逆光もウィークポイントのようで、AFは全体的にまだ課題が多いようです。とは言え、Z7はまだ発売直後なので、今後のファームアップでのAFの改善に期待したいところですね。