キヤノンはコンパクトなRFレンズの開発に取り組んでいる

DPReviewに、キヤノンのエンジニアのインタビュー記事が掲載されています。

Interview: Understanding RF, DS and DO - we talk to Canon about its latest lenses

  • (キヤノンの今後の最大の課題は?)
    RFマウントを追加したため、多くの新レンズを用意しなければならないのが大きな課題だが、新しいRFマウントが、レンズ設計においてまったく新しい可能性を切り開き、撮影の限界を広げているのは、とてもエキサイティングなことだ。
  • (RF70-200mm F2.8Lは、どのようにして小型化したのか?)
    このレンズを開発し始めて、実際、我々も驚いた。ショートフランジバックの大口径マウントは、広角レンズの設計により適していると予想していたが、望遠レンズの設計でも非常に効果的であることが分かった。このレンズが非常にコンパクトにできたのは、マウントによるところが大きい。このレンズを皮切りに、アッと言わせるような多くのレンズを提供したいと思っている。
  • (RF70-200mm F2.8Lは、DOレンズを使用しているのか?)
    このレンズにはDOレンズは使用しないことにしたが、DOテクノロジーの開発に取り組んでおり、将来、DOがどのように活用できるのか確認するために、様々なレンズ設計を試している。
  • (RF85mm F1.2L DSのDSテクノロジーについて教えて欲しい)
    ホートレートレンズではボケは非常に重要な要素で、我々は従来のレンズでは不可能だったボケを実現したいと考え、DS(デフォーカススムージング)テクノロジーの開発を決めた。DSはコーティングに関する技術で、これを他の様々なレンズに適用することは比較的容易だ。
  • (RF85mm F1.2L はDSの有無で2つのバージョンがあるが、これはDSがかなり高価なためか?)
    価格の要素もあるが、DSは全ての点で優れているわけではないためで、DSエレメントを通過する際に、一部の光が失われる(透過率が低くなる)。
  • (DSはアポダイゼーション効果のように思えるが?)
    その通りだ。
  • (EOS RPユーザーはどのようなレンズを買うと考えている?)
    現時点ではRF35mm F1.8がベストマッチだろう。そして、発表済みのRF24-240mmがEOS RPの良きパートナーになると思っている。もちろん我々は、将来に向けて多くのコンパクトなレンズの開発に取り組んでいる。
  • (2019年に多くのプロ用レンズが発表されるが、プロ用ボディも登場するのか?)
    言えることは、我々が様々なカメラを開発しているということだ。特定のカメラの登場時期は言えないが、期待が本当に大きいことは理解している。
  • (RFマウントのレンズ・ボディ間の高速通信のメリットは?)
    ISの強化のためにボディとレンズが協調して動作している。これは高速通信活用の好例だ。また、DLOのためのデータの自動転送が行われるので、新しいレンズでもカメラ内でDLOを使用できる。この通信システムは、現状では過剰に思えるかもしれないが、30年後に何が可能になるのかを見据えておかなければならない。
  • (他に読者に伝えたいことは?)
    6本のRFレンズが発売されれば、RFレンズは10本になる。我々がこのマウントに真剣に取り組んでいることをユーザーに納得させることができればと願っている。

    EOS RPの目的は、フルサイズを多くの人に利用しやすくすることで、多くの初心者がフルサイズを楽しむことができるようになり、フルサイズ市場が拡大することを望んでいる。

    皆さんが期待しているプロレベルのカメラが開発中であることも忘れないで欲しい。一眼レフやMシリーズの開発中止を推測している人もいるが、我々は一眼レフ、EOS Mシリーズ、EOS Rシリーズの複数のカメラを同時に開発している。

 

RFマウントは、広角だけでなく望遠レンズの開発にも恩恵があり、RF70-200mm F2.8Lのような小さな望遠レンズを実現できるということなので、このレンズの他にも、小型の望遠レンズが登場する可能性がありそうですね。また、EOS RP向きのコンパクトなRFレンズ群の登場にも期待できそうです。