キヤノンEOS M6 Mark II のシャッターショックの検証記事

Canon News に、キヤノンEOS M6 Mark II と3本のEF-Mレンズを使ったシャッターショックに関する検証記事が掲載されています。

Canon EOS M6 Mark II - Analysis of Shutter Shock

  • キヤノンEOS M6 Mark II のシャッターショックの問題が取り沙汰されている。シャッターショックは、シャッター速度が1/200~1/25秒で発生するが、通常、電子先幕シャッターのあるキヤノンのミラーレス機では問題にならない。

    しかし、理由は不明だがEOS M6 Mark II には、電子シャッターは搭載されているが、電子先幕シャッターは搭載されていない。

    EOS M6 Mark II の電子シャッターとメカシャッターの双方でテストを行い、解像力を比較した。まず最初にシャッターショックが目立つEF-M55-200mmの200mm側でテストを行った。(グラフは青がメカシャッター、オレンジが電子シャッターの解像力)

    canon_shock_ef-m55-200mm_200_001.jpg
    結果がこれほど劇的に異なるとは、完全に予想外だった。測定エラーかどうか確認するために、このテストは3回繰り返し行っており、いずれも類似した結果が得られている。

    このテストでは1/200~1/80秒までの解像力では電子シャッターよりもメカシャッターの方が遥かに低く、1/80が最悪の結果だとわかる(1/400~1/250で電子シャッターの解像力が伸びていないのはISO感度を上げてるためだ)。

    次に同じレンズの55mm側でテストを行った。

    canon_shock_ef-m55-200mm_55_001.jpg
    55mmでは電子シャッターとメカシャッターの差は小さく、実写では両者の差に気付かないだろう。最も差が大きかったのは1/100~1/60秒程度のシャッター速度だ。

    次にテストしたのは、EF-M15-45mmの45mm側だ。

    canon_shock_ef-m15-45mm_45_001.jpg
    この結果はEF-M55-200mmの55mm側よりも遥かに劣っていたので、驚いた。差が目立つのは1/160秒から1/20秒までだ。このレンズのISユニットは、高価なレンズほど剛性が高くなく、補正ユニットが(シャッターショックで)少し動いてしまうのだろうか?

    次にISを搭載していないEF-M32mm F1.4でテストを行った。

    canon_shock_ef-m32f14_001.jpg
    ISを搭載していないEF-M32mm F1.4では、電子シャッターとメカシャッターの違いはほとんどなく、シャッターショックの問題は発生していないように見える。

    結論:キヤノンにはがっかりした。EOS M6 Mark II は驚くほど高性能で使うのが楽しいカメラだが、電子先幕シャッターが搭載されていないため、状況によっては最高の画質が得られないことがある。

    EF-MレンズのISユニットに問題がある可能性もあるが、1つ確かなことは、今回テストしたEF-Mレンズでメカシャッターを使用すると問題があるということだ。

    多くの場合、メカシャッターを使用しても十分な解像力が得られるので、超大判プリントをしない限りは、電子シャッターとメカシャッターで、最終結果で違いは分からないだろう。

    もし超大判プリントや大幅なトリミングをする可能性があるなら、M6 Mark II には電子先幕シャッターが搭載されていないことに注意が必要だ。IS付きのEF-Mレンズ使用時は、電子シャッターに切り替えることを検討したほうがいい。

 

EOS M6 Mark II のメカシャッター使用時のシャッターショックが話題になっているようですが、CanonNewsの検証結果を見る限りでは、たしかにシャッターショックによる解像力の低下が見られるようです。

ただ、ISを搭載していないEF-M32mm F1.4 では、ほとんど影響は見られないようなので、単純にシャッターショックでブレているのではなく、シャッターショックによってISユニットがわずかに動くことで、解像力の低下が起こっている可能性が高そうです。