・Canon EF 70-200mm f/2.8L IS II USM (Tested)
- APS-Cでの解像力はズーム全域で絞り開放から素晴らしい。開放ではカリカリにシャープではないが、1.5blur(画像の甘さを表す値で小さいほど優秀)に近い値。F4に絞るとわずかに解像力は向上し、100mmでは計測の限界に達する
- フルサイズでの解像力は、開放では周辺部はいくらか甘く(70mmで2blur)、絞ると解像力は向上するが、1blur(カリカリにシャープ)には達しない。しかし、それでもなお非常にシャープだ
- 色収差はサンプルでは100%に拡大して精査しても全く目につかず、蛍石がはっきりと色収差を抑えている。色収差に関しては何も言う事はないが、70mmと200mmでは周辺部に色収差が見られる
- 周辺光量落ちはAPS-Cでは問題はないが、200mm開放では多少の周辺光量落ちが見られる。フルサイズでは開放では周辺光量落ちは顕著で、70mmでは許容範囲だが、100mm以上では開放で1段分以上落ちる
- 歪曲は望遠ズームの典型でワイド側はタル型、テレ側は糸巻き型となる。APS-Cでは70mmで+0.25%、200mmで-0.2%で目立たないが、フルサイズでは、70mmで+0.5%、200mmで-0.5%で少し目立つ
- AFは無限遠から最短まで1秒未満で、AF速度でこのレンズに付いていけるレンズは多くはないだろう。作動音はほとんど無い。鏡筒のクオリティは、他のLシリーズの白レンズと同様に素晴らしいもの
- 旧型のEF70-200mm F2.8L ISと比較すると、新型はよりシャープだが、改善しているのはほとんど70mmだ。旧型も非常にシャープなレンズだ。色収差は改善しているが、旧型もそれほど悪かったわけではない。歪曲と周辺光量落ちの性能は新旧で変わらない
- EF70-200mm F2.8 (ISなし)と比較すると、ISなしは旧型のIS付きよりは若干シャープだが、新型のIS付きはこれらの中で最もシャープだ。色収差や歪曲、周辺光量落ちは同等のレベル
- タムロンの70-200mm F2.8と比較すると、タムロンは色収差は大きいが、70-200mmの中では最もシャープなレンズの一つだ。歪曲と周辺光量落ちは同等
- もしあなたがこのレンズの購入を考えているなら何も問題はない。手ブレ補正付きで最も高画質なレンズが必要なら、EF70-200mm F2.8L IS II を買うのはお金の有効な使い方だ。しかし、それほどうるさくないユーザーなら、旧型のEF70-200mm F2.8L ISを選んでも後悔することはないだろう
このレンズは、Photozoneなどの他のサイトのレビューでも高い評価を得ていますが、ここでも良好な結果となっています。このレビューでは触れられていませんが、新型では旧型(IS付き)で問題だった逆光耐性が改善されているのも大きなポイントではないかと思います。
あと、このクラスのズームでタムロンの70-200mm F2.8が一番シャープという評価は少々意外でした。手ブレ補正や超音波モーターが不要なユーザーなら、タムロンはとてもお買い得かもしれませんね。
ズマアル
これは歓迎。と同時に、買い替え需要がどのぐらいあるのか、ちょっと心配。
沢庵
24LⅡや100Lマクロなど、ここ最近評判の良いLレンズが続いているので次への期待が高まります。この調子で今年末までにあと2モデル(ズーム、単問わず)ぐらいの追加をお願いしたいところです。