シグマ12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMは広角端で像面湾曲が目立つ

photozoneに、シグマ12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMのレビューが掲載されています。

Sigma AF 12-24mm f/4.5-5.6 HSM DG II - Review / Test Report

  • 不思議なことに、II 型は"EX"レンズでは無くなっているが、造りはとてもハイクオリティだ。ズームリングとフォーカスリングは若干固く感じる。レンズの全長はズームやピントにかかわらず一定だ。AF精度は、そこそこ。
  • 歪曲は12mmでは4.1%の極めて大きなタル型で、直線的な建築物や水平線・地平線などの被写体では容易に目に付く。17mmでは大幅に改善し中程度のタル型(1.6%)になり、24mmでは中程度の糸巻き型(1.2%)になる。
  • 広角レンズの周辺光量落ちがコサイン四乗則に縛られることを考えれば、このレンズの周辺光量落ちはとても穏やかだと解釈することができる。とは言うものの、絶対的には12mm開放で3EV近い大きな周辺光量落ちがある。しかし、F8まで絞れば1EVを少し超えるだけの穏やかな値になる。17mmと24mmでは問題は改善するが、12mm同様に少し絞ったほうがよい。
  • 12mmの解像力は、開放から中央部はずば抜けており、周辺部も意外に高い解像力だが、四隅はF8まで絞ってもかなり甘い。四隅で良好(good)な解像力を得るには、像面の湾曲が非常に大きいことを考えると、F11まで絞ったほうがよい。
  • 17mmでは、中央の解像力は高いまま、周辺部と四隅もF8まで絞ればとてもしっかりとした解像力になる。24mmでは中央の解像力が若干甘くなり、周辺部と四隅は良い(good)の解像力に達する。このレンズは基本的に、16mmでは、キヤノンのEF16-35mm F2.8L II と同程度の性能だ(EF17-40mm F4Lよりは優れている)。
  • 倍率色収差は12mmでは周辺部でおよそ2ピクセルで、それほどよく補整されていないが、それでも比較的穏やかな値だ。倍率色収差は17mmでは1.3ピクセルに減少し、24mmでは0.5ピクセルでほとんど問題はなくなる。
  • 12mmの画角は、性能にかかわらずライバルと比べてそれだけで差別要因だ。もちろん、このような極端なレンズなので問題点もあり、広角端での開放付近の画質は期待に少し及ばず、絞ったほうがいい。像面湾曲を克服する必要もあるので、(例えば風景などでは)被写界深度を活用するために、注意深くピントを合わせるべきだ。17mmでは画面全域で非常にシャープになり、24mmでもしっかりとした描写。鏡筒の造りは良好だが、防塵防滴ではないのは若干不満。安価なレンズではないが、他にはない焦点距離を考えると魅力的な価格だ。

 

光学性能の評価は5点満点で2.5点で、フルサイズ用の超広角ズームとしては平均的な評価になっています。12mmでは四隅の解像力が低めですが、これは像面の湾曲が原因ということなので、記事の結論にもあるように、ピントの位置を少し調整することで風景などでは良い結果が得られそうですね。