キヤノンEF300mm F2.8L IS II USMは旧型からあらゆる点が改良されている。

SLRGear に、キヤノンEF300mm F2.8L IS II USMのレビューが掲載されています。

Canon EF 300mm f/2.8L IS II USM (Tested)

  • 解像力はAPS-Cの7Dでもフルサイズの1Ds3でも、開放からF8までの絞り値で素晴らしい結果だ。F11からは回折の影響が出始めるが、F16までは全体的にわずかに解像力が下がるだけで実質的な影響はない。解像力は高価な価格から予想される通り一流のもの。
  • 色収差は極めて低いレベルで素晴らしい。サンプルでは、ハイコントラストの領域でも色ズレは全く見られなかった。
  • 周辺光量落ちは、APS-Cでは取り立てて言うほどのものはなかった。フルサイズでは、開放では若干の周辺光量落ちが見られ、四隅では1/2EV暗くなる。
  • 新型では歪曲の補正の設計に明らかに多くの時間が費やされており、APS-Cでもフルサイズでも歪曲は全く見られない。
  • AFは極めて速く、そしてとても静かだ。フルタイムマニュアルフォーカスが可能。このレンズは、ピント位置を記憶しておいて呼び出すことができる、フォーカスプリセットシステムが搭載されている。また、動画撮影に最適化されているPF(パワーフォーカス)モードが搭載されており、一定の速度でフォーカシングすることができる。PFモードではAFスピードは2段階から選択できる。
  • マクロ性能は最大撮影倍率0.18xでそれほど実用的ではないが、エクステンションチューブを使えばまずまず接写することができる。
  • 鏡筒のクオリティはキヤノンのLのもので最高だ。旧型に比べて若干(4mmほど)小さくなっており、重さも0.3ポンドほど軽くなっている。これは蛍石を2枚に増やして、全体のレンズの枚数を減らすことで実現している。絞り羽根は旧型の8枚から9枚になっている。また、ISには不規則に動く物体用のモード3(露出時のみ動作)が追加されている。三脚座は取り外せなくなっているが、90度ごとにクリックストップが付いている。
  • 旧型のEF300mm F2.8L ISと比べると、新型はあらゆる点で改良されており、シャープで色収差、周辺光量落ちが少なく、歪曲も全くない。とは言うものの旧型もなかなかのもので、以前のレビュー時にはとてもお気に入りのレンズだった。
  • シグマの300mm F2.8 EX DG HSMと比べると、シグマは半額なので価格の点ではとても魅力的な選択肢だ。しかし、キヤノンは歪曲を除くほとんど全ての点でシグマよりも優れており、シグマはフォーカスプリセット、IS、フォーカスリミッターなどの機能で完全に負けている。
  • 旧型もとても良いレンズだったが、新型は更によくなっている。このクラスのレンズを買うつもりなら、これ以上のレンズはない。

 

解像力は絞り開放から非常に高い値で、その他の収差もよく補正されており、文句の付けようがない高性能レンズですね。

光学系以外でも鏡筒の軽量化や操作性の改善など、あらゆる部分が新しくなっているので、300mm F2.8を探しているキヤノンユーザーは、予算が十分にあれば、このレンズを選んでおけば間違いなさそうです。とは言え、一般のアマチュアにはなかなか手が出せないレンズですね。