ニコンAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6 VRはライバルと同程度の性能だが鏡筒の出来はよい

SLRGearに、ニコンAF-S DX NIKKOR 18-300mm f/3.5-5.6 VRのレビューが掲載されています。

Nikon 18-300mm f/3.5-5.6G ED AF-S DX VR Nikkor (Tested)

  • 18mm開放では、しっかりとした解像力で、中央はシャープで周辺部はごくわずかに甘い。F5.6ではわずかに改善し、中央はいくらかシャープになるが、周辺部はそれほどシャープにならない。
  • 28mmでは中央は18mmと同程度だが、周辺部はずっと甘くなる。画面全体をシャープに写したいなら28mmは避けた方がいい。絞ると若干改善するが、周辺部の甘さは改善しない。
  • 50mmでは素晴らしい解像力で、開放から非常にシャープだ。この焦点距離では絞っても改善は見られない。
  • 105mm以上では開放では再び周辺部が甘くなり、望遠側に行くにしたがって中央の解像力は低下する。105mmはまずまず良好で、F8まで絞れば良好な結果を得られるが、200mmと300mmは平均並みの結果だ。この結果は望遠端を伸ばしたことで、いくらか設計に妥協が見られるように思える。
  • 色収差はRAWの測定では、中央でも周辺部でもかなり目立つが、D7000のJPEGでは非常によく補正されており、ハイコントラスト部分でわずかにマゼンタの色ズレが見られるのみだ。サンプルはJPEGで撮影したものだ。
  • 周辺光量落ちは18mm開放では3/4EVに近い値で問題があるが、そのほかの條件ではわずかな値だ。
  • 歪曲は18mmでは極めて大きなタル型(1.25%)で、24mm以降ではほどほどに低い値になる。望遠側にズームしていくと中央は一貫してタル型だが、周辺部は糸巻き型になる。28mmでは周辺部の糸巻き型の歪曲がピークになり、この状態が300mmまで続く。
  • AFはかなり速く、小さなピント位置の変更は極めて速い。AF後はいつでもフルタイムマニュアルフォーカスが可能。フィルター取り付け枠は回転しない。
  • ズームリングの回転角はおおよそ100度で、適度な重さがあり、自重落下の問題はない。フォーカスリンクは最短と無限遠の両端で止まる(重さが変わる)。
  • 手ブレ補正はまだテスト中だが、現時点では18mmでは2.5段分の効果ということが言える。これは極めて有用だ。
  • ニコンの18-200mmとの比較では、18-200mmがごくわずかにシャープだが、その差は大きくはない。
  • シグマの18-250mmとの比較では、性能はほとんど同程度で、価格はニコンほど高くはない。
  • タムロン18-270mm PZDとの比較では、性能はだいたい同じだが、ここでも価格はニコンよりも安い。
  • 高倍率ズームには多くの選択肢があるが、画質は妥協している。望遠域では望遠ズームに全く及ばないが、レンズを1本だけ持っていくなら、寄れない被写体を逃さず撮るにはコンパクトカメラよりも良いだろう。
  • 安価なシグマとタムロンも良好だが、鏡筒の造りと手ブレ補正の性能はニコンが存在感を示している。これらが重要でないなら、サードパーティー製を選べば出費を抑えることができるが、ニコンのプレミアム価格を払うと決めても無駄遣いにはならないだろう。

 

焦点距離によってかなり解像力の落ち込みも見られますが、18-300mmというズーム域を考えると、より低倍率のニコン18-200mmやシグマ・タムロンのライバルと同程度の性能をキープしているのは立派と言っていいかもしれませんね。問題は大きさと重さでしょうか。