Metabones社のマウントアダプタ「スピードブースター」はメーカーの主張通りの性能

lensrentalsに、Metabonesのマウントアダプタ「Speed Booster」とNEX-7、3本のEFレンズ(14mm F2.8、50mm F1.2、135mm F2)による解像力のテスト記事が掲載されています。

Metabones Magic?

  • テストではISO1223チャートを、レンズそのまま状態(普通のマウントアダプタ)とスピードブースターを取り付けた状態でそれぞれ撮影した。同じ大きさに撮るために(スピードブースター使用時と)カメラの位置を変更しているので、チャートの解像力を直接比較することができる。
  • EF14mm F2.8L II はスピードブースターでNEXに取り付けると10mm F2 になる。これは光学的に厳密なテストではないが、スピードブースターは完全な成功を収めていると思う。F値は1段分明るくなっているが、私の見たところでは解像力に顕著な違いは見られない。(スピードブースターの有無による)パースペクティブの変化は印象的だ。
  • EF50mm F1.2L は若干規格外で、スピードブースター使用時のF値はF0.9になる(※スピードブースターは入力側がF1.26、出力側がF0.9までに制限されているためです)。ここでもスピードブースターはとても良好な結果で、少なくとも中央の鮮鋭度は若干良くなっているように見える。しかし、非点収差は少し目立つようだ。
  • EF135mm F2Lとの組み合わせでは、スピードブースター使用時の劣化は、例えあるとしても、私には見分けるのは困難だ。この組み合わせでは非点収差は気にならなかった。
  • EOS 5D Mark II +EF50mm F1.2LのMTF50は、F1.4で中央で590ライン、平均で460ライン、一番悪い周辺部で265ラインで、歪曲は1.2%のタル型だ。
  • NEX-7+EF50mm F1.2L(+普通のマウントアダプタ)のMTF50は、F1.4で中央は625ライン、平均で485ライン、一番悪い周辺部で210ラインで、歪曲は0.825%のタル型だ。
  • NEX-7+EF50mm F1.2L(+スピードブースター)のMTF50は、F0.9で中央は720ライン、平均で410ライン、一番悪い周辺部で230ラインだ。F1.3に絞ると、中央は800ライン、平均で510ライン、一番悪い周辺部で300ラインだ。普通のマウントアダプタ使用時とくらべてMTF50の値は向上しているが、歪曲は1.9%に悪化している。
  • 1つ書き留めておきたいのは、(スピードブースターを使用すると)周辺部で明らかな非点収差が見られるということだ。また、MTF20のテストではスピードブースターで値は若干改善するが、非点収差が大きくなるというMTF50と同じような結果が得られている。
  • メーカーの主張はマーケティングのための大げさなものだと思っていたが、スピードブースターは彼らの主張通りの性能で、私は大いに驚いた。スピードブースターを使うと、解像力と鮮鋭度は維持されたまま、よりワイドになり、より明るくなる。非点収差は増し、ハイライトのにじみも見られるが問題はないだろう。

 

元記事の解像力チャートの画像を見る限りでは、中央はスピードブースター使用時のほうがむしろシャープになっているようですね。周辺部は多少甘くなるようですが、この程度なら問題が無い範囲という印象です。

0.71倍のマウントアダプターを介してこれだけよく写れば、実用的には全く問題なさそうで、実践で大いに活用できそうですね。