キヤノンEF24-70mm F4L IS はズーム全域で高解像力だがフォーカスシフトが目立つ

photozoneに、キヤノンEF24-70mm F4L IS USMのフルサイズ機(5D Mark II)によるレビューが掲載されています。

Canon EF 24-70mm f/4 USM L IS - Full Format Review

  • 鏡筒は、金属とハイクオリティーなプラスチックのパーツがしっかりと組み立てられており、卓越したクオリティだ。ズームリングとフォーカスリングは、どちらもスムーズに回転する。前玉はもちろん回転しない。このレンズは24-70mm F2.8に比べると25%小さいが、ディスコンになった旧型のEF24-85mm F3.5-4.5に比べるとまだかなり大きい。
  • AFはリングUSMで、高速でほぼ無音だ。ライブビューでのAF性能は平均的だ(従ってやや遅い)。AF精度は開放では良好だが、絞ると問題がある(後述のフォーカスシフトの項目を参照)。
  • 手ブレ補正は、通常の撮影距離では少なくとも3段分の十分良好な効果がある。近接撮影では効果が弱くなるがこれは普通のことだ。
  • 歪曲はこのタイプのレンズとしては平均以上に良好だ。とは言え、まだ24mmで2.4%の中程度のタル型の歪曲がある。ズーム中間域では歪曲は軽減され、40mmでは基本的に歪曲はなくなるが、70mmでは糸巻き型の歪曲(0.7%)が現れる。
  • 周辺光量落ちは、フルサイズの中では比較的少ない方だが、それでもまだ24mmでは1.9EVのかなり大きな周辺光量落ちがあり、これは実写でも容易に目立つ。40mmと70mmでは周辺光量落ちの問題は改善するが、無視しても良いという値からはほど遠い(40mm F4で1.1EV、70mm F4で1.45EV)。F5.6に絞ると、40mmと70mmでは周辺光量落ちはほぼ解消するが、24mmではまだかなり高い値(1.34EV)のままで、F11でさえ高い値(0.89EV)だ。
  • 解像力は、ズーム全域で中央は開放から既に素晴らしい値(excellent)で、周辺部はとても良い値(very good)、隅は良い(good)~とても良い(very good)の値だ。F5.6とF8に絞ると解像力は若干改善する。F11以上ではズーム全域で回折の影響が見られる。このレンズの解像力はズーム全域で素晴らしく高い値だ。
  • 倍率色収差はピークで0.7ピクセルで、非常によく補正されている。これは通常問題のない値だ。軸上色収差は暗いレンズなのであまり問題はなく、開放ではごくわずかに痕跡が見られるが、F5.6で解消する。
  • マクロ性能は70mm開放ではそれほど良くはなく、あまりシャープではないが、F8では非常にシャープになる。
  • 絞るとフォーカスシフトがかなり見られる。言い換えると、このレンズは球面収差の残余に苦しんでいる。これは近接撮影でより目立つ。別の個体でもチェックしたが、この性質は同じだった。フォーカスシフトはAFでは補正されない。我々は解像力テストの合間にAFでチャートをチェックし、F4から絞ると解像力が低下することを測定した(解像力テストでは、もちろんAFは使用していない)。
  • ボケは後ボケは極めてスムーズだが、前ボケは若干うるさい。ハイライトは開放付近では円形に近いが、ハイライトの内部はかなりうるさい。とはいえEF24-70mm F2.8L II よりは若干良好だ。ハイライトの円形はF8でもまだ保たれている。
  • このレンズの画質は良好で、しばしば兄貴分のEF24-70mm F2.8L II をさえしのいでいる。ズーム全域で非常にシャープで、開放でさえ大きな弱点は見られない。色収差が非常に少ないことも、高解像力に貢献している。周辺光量落ちはフルサイズとしては驚くに値しないが、24mmで絞ったときの値は今一つだ。歪曲は穏やかでクラス平均よりも若干良好だ。しかしながら、最も大きな欠点はフォーカスシフトで、絞るとピント位置が後ろに移動する。これは場面によっては画質を損なう原因になる。
  • フォーカスシフトの問題を考えると、このレンズよりもむしろEF24-70mm F2.8L II かEF24-105mm F4L ISを推薦したい。

 

光学性能の評価は5点満点中3点で、フォーカスシフトのために減点されたと記載されています。解像力はズーム全域で開放からとても良好で、ここでは他のレビューで指摘されていた中間域での落ち込みも見られないようです(中間域は他のレビューは50mm、photozoneは40mmでテストしているためかもしれませんが・・・)。

後は、記事で指摘されているフォーカスシフトの影響が実写でどのくらいあるのかが気になるところですね。