・Olympus M.ZUIKO 17mm f/1.8 - Review / Test Report
- 鏡筒は総金属製でしっかりと組み立てられており、造りはとても素晴らしい。スムーズに回転するフォーカスリングには、AFとMFを切り替えるスナップショットメカニズムが採用されている。
- 安価なレンズではないが、フードが付属しておらずかなり高価なオプションなのは少々意外だ。しかし、これは以前に既に12mm F2や75mm F1.8でも経験したことだ。
- フォーカシングにMSC機構を採用しており、AFは静かで速く、スムーズだ。ミラーレスシステムの常として、AF精度は非常に高い(とは言え、AF精度はレンズよりもカメラに依存する)。MFはバイワイヤ(モーター駆動)だ。かなり残念なのは最短撮影距離が長いことだ(最大撮影倍率は1:12.5)。
- 歪曲は0.5%のわずかなタル型で、実写で目立つことはめったにない。しかし、これは自動補正が効いている場合で、未補正のRAWでは4.5%の極めて大きなタル型だ。従ってこのレンズは自動補正を前提に設計されている。
- 17mm F1.8の解像力は、中央は開放からとても良い(very good)~素晴らしい(excellent)解像力で、周辺部は良好(good)な解像力だ。これは開放としては素晴らしい解像力だ。しかし、絞った時には、わずかな改善しか見られない。F5.6以上では回折の影響が見られるが、F8は十分実用になる。歪曲未補正のRAWでも解像力を検証したが、周辺部の解像力にあまり大きな差はなかった。17mm F1.8の解像力はしっかりとしているが、強力な75mm F1.8には及ばない。
- 像面の湾曲は若干見られ、開放付近では目に付くかもしれない。
- 倍率色収差は周辺部で平均1.8ピクセル前後で、状況によっては目に付くだろう。
- ボケ味は広角レンズとしてはとても良好だが、開放付近ではいくらかボケの色ズレ(軸上色収差)が見られる。
- 17mm F1.8は際立った性能ではないかもしれないが、長所を考えると興味深いレンズだ。大口径の広角レンズは周辺部が甘い傾向があるが、このレンズは(若干の像面湾曲の影響が見られるが)とてもしっかりとした性能だ。中央は開放から非常にシャープだ。軸上色収差はこの種のレンズとしては比較的大きい。歪曲は実写では問題ないが、未補正の状態ではかなり凡庸だ。
- 比較的高い価格に見合う価値があるかどうかは場合による。最もスペックが近いライバルはパナソニックの20mm F1.7で、パナソニックは若干安価だが、造りはオリンパスほど魅力的ではない。性能面では、パナソニックが若干シャープだが、一方でオリンパスはボケがより良好だ。
光学性能の評価は3点(満点は5点)で、m4/3用の単焦点レンズとしては平均的な評価となっていますが、パンケーキの17mm F2.8よりは高評価のようです。解像力は75mm F1.8のような際立ったものではありませんが、開放から周辺部まで十分な値なので、開放付近から安心して使えそうですね。
MARU
最短撮影距離0.25m(1:12.5)はレンズ側でスナップショットフォーカスを使用した場合で、通常のAF/MFではもっと寄れますね。
夏の氷河
自動補正を前提に 設計されているか。
パナのボディでも補正されるかな?
Aron
概ね私の評価と同様です。あまリ寄れないのが残念なところ。逆光耐性はそれ程でもないので、フードはあったほうがいいです。オールマイティではないけれど、使い処を間違えなければ良いレンズだと思います。
nennneke
45mm、75mmも使用していますが、このレンズの第一印象はそれらと異なります。同じように高い解像力を期待するユーザーには落胆する方もいらっしゃるようですが、私は逆にこのレンズの描写はこの画角(ライカ判換算34mm相当)に適していると感じています。
シャープさが特徴のレンズは他にもありますが、この17mmのような落ち着いた優しい描写をする最新レンズは少ないと思います。
Yuop
オリンパスのm4/3の銘玉は
どれも普段使わないような画角のレンズが多くて
少し残念です。
17mmも気合い入れて作って欲しい気持ちがありました。
とりあえず今はHGクラスのズームお待ちしております。
てい
>17mmも気合い入れて作って欲しい気持ちがありました。
凄い分かります。
ホントにがっかりですよ。
たまちゃん
17mm F2.8と比較して F1.8と明るくなっただけにとどまらず描写がより良くなったと実感できる。特に周辺部まで確かな写りとボケ味は素敵だ。
Mr.V
>MARUさん
定規でざっくりと計ってみましたが、17~18cmくらいですね。
miti
最短撮影距離は撮像素子面からの距離だから、そんなものでは?
001
Yuopさんに同感です。
レンズのラインナップが何かおかしいと思います。
しかも、ブラックバージョンが最初からなかったり、フードが別売とか。
待ちきれずに12-35mmF2.8はパナに行きました。
OMDは良いカメラなのに、レンズはすべてパナになってしまった。
HGクラスの尖ったズイコーが欲しいです。
Bokko
Distortionは多重にすれば素性がわかります。見事な樽型。
Bokko
広角でこれだけよれたら十分です。望遠ズームより倍率は高いでしょう。
Mr.V
>mitiさん
「そんなものでは」とは?
スナップショットフォーカス使用時の最短距離と、カメラ側でMFモードにした場合の最短距離の違いの話なのですが・・・。
前者は、やはりレンズの距離指標通り25cm程度。後者は17~18cmくらいです。
当然ながら、カメラに刻印された撮像面位置からの距離を(ざっくりとですが)計っています。
hamuro
X100とかこのレンズ使って感じるのは、換算35mmレンズの難しさですね。買ってはみたけど、手放しちゃう人も多いかもしれません。
レンズラインナップは、多分パナと被らないようにしてるんだとは思うけど、
それにしても、明るいズームや14、20、25mmの人気が出そうな短焦点など、おいしいところは全部パナですね。
もしかすると、APS-Cにパナを行かせないための引き止め作戦だったのでは、と思うのは勘ぐり過ぎでしょうか。
coreE
画質の差については、旧タイプのF2.8から1.8へと大幅にアップした事である程度トレードオフなんでしょうか。
サイズも良い感じですし、充分合格点には達してるとは思いますが。
オリンパス(フォーサーズ)と言えばほぼ全てのレンズが開放からガンガン使えるというのが定石でしたが、マイクロではしっかり見極めないと、レンズによって差があり“過ぎる”?
ぬこ
1ヶ月ほど前に購入しました。
換算34mmは使い勝手が良いですね。なんでも撮れる。
逆に言うと、なんでも凡庸に撮れてしまう。素人の私には使いこなしは難しいかもしれません。
作りも良いので所有感は満たされます。
これ、レンズ沼に入りかけの自分には抑制剤としてよいです(笑)
しかし、開放からカリッと描写が好きな方には、確かに微妙かもしれません。
どこか甘さは残るように感じます。
moumou
妙なボケ癖も無く素直で使い易いレンズです。
今時のレンズとしては十分良い出来だと思います。
(解像度や収差の小ささを強調し過ぎて硬い描写になるよりはこの位の柔らかさの有る方が好みです)
個人的には画角もどんぴしゃで室内でもノーフラッシュで自然な感じで写せるので室内用標準レンズにしてます。
最短撮影距離もマクロレンズじゃないので20cmも有れば十分です。
さすがにフードもケースも付属してないのはちょっと残念ですがフードは Kenko メタルフード KMH-46SVがシルバーなら色もぴったりでケラレも無く使えてるので純正は欲しいとは思いません。
(逆にかぶせて収納出来ないのが難点ですが格好は良いです)
マイクロフォーサーズ用レンズは手頃な値段でそこそこの性能のレンズ(小竹クラスまで)を充実させてくれればOK、松クラスはどの道大きく重くなるのでフォーサーズ用でカバーすれば良いと思ってます。
(その為にも位相差AF対応のボディが必要ですね)
とおりすがり
17mm F1.8はオリにしては珍しく、解像を追わず、素直な描写とボケ味が魅力の良いレンズだと思います。変に硬い描写になりすぎることもなく、多くの場面でとても使いやすいです。
パキパキに写るレンズではないので、パナ20mmと比べて解像しないからダメという意見が散見されますが、そもそも性格が違うレンズなのですから比べるのも野暮というものですよね。
>Yuopさん、001さん
オリの単焦点は35mm判換算で24mm,34mm,90mm,120mmMacro,150mmで、標準レンズこそないものの単焦点レンズとしてはフィルムからあるオーソドックスな画角やそれに近いものばかりですよ。(150mmを135mmと似たようなと言うと怒る方もいらっしゃるかもしれませんが。)
ハイレベルズームに苦戦しているようですが、それも4/3を探せばそれこそ選びきれないだけありますし、一応梅以下でキットレンズも存在してます。ラインナップがおかしいというほど、変なレンズは出していないと思いますが。。
Aron
厳しい威厳が出されていますが、結構このレンズは好きです。
銀塩時代にZUIKO 35mm F2を多用していたこともあり、馴染んだ画角とボカせる明るさで常用しています。
解像度は1600万画素のμ4/3機には十分だと思うし、将来ローパスレス2000万画素クラスのセンサーが載ったボディが出た時に、モアレで悩まされることもないでしょう。(少々後ろ向きではありますが)
でも、12mmも欲しいですね。