キヤノンEF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM は安価だが驚くほど解像力の高いレンズ

photozone に、キヤノンの超広角ズーム「EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM」のレビューが掲載されています。

Canon EF-S 10-18mm f/4.5-5.6 STM IS - Lab Review / Test

  • 鏡筒の造りはコストダウンが見られるが、決して悪くはない。鏡筒はマウントを含めて高品質なプラスチック製だが、全ての部品がしっかりと組み立てられており、ガタつきは全く見られない。ズームリングとフォーカスリングは、いずれもスムーズに回転する。前玉は回転しない。
  • STMは静粛性とスムーズな動きに最適化されており、動画にも有用だ。AFスピードもとても速い。テストした個体のAF精度は素晴らしかった。
  • MFはバイワイヤ(モーター駆動)だが、それと気付かせないもので、これまでに見たバイワイヤのMFの中では最高のものの1つだ。
  • 歪曲は10mmで中程度の大きさのタル型(-1.97%)で、14mm以上では基本的に無視してよい大きさ(18mmで0.0142%の糸巻き型)になる。多くのキットクラスのレンズでは、広角端の歪曲が弱点だが、このレンズは、歪曲の点では嬉しい驚きだ。
  • 周辺光量落ちは10mm開放では2.2EVの大きな値で、容易に目に付く。F5.6まで絞ってもそれほど大きくは改善せず(1.54EV)、F8(1.07EV)とF11(0.81EV)でもまだ目立つ。14mmと18mmでも開放ではいくらか周辺光量落ちが見られる(14mm開放で1.42EV、18mm開放で1.15EV)が、F8以上では良好になる。このレンズの周辺光量落ちは、それほど良好ではないい。
  • 解像力は、中央は開放からF8まで一様に素晴らしい値(excellent)で、周辺部と隅も(開放からF11まで)とても良好な値(very good)だ。F11では回折の影響が見られる。像面の湾曲は非常に小さい。この解像力テストの結果は、まさに驚くべきものだ。
  • テストした個体では、センタリングのクオリティ(偏芯の少なさ)は良好だった。
  • 倍率色収差は、周辺部で1ピクセル前後、隅で1.5ピクセル前後で、超広角レンズとしてはとても良く補正されている。
  • ミラーレス機が注目を集めているが、キヤノンはクオリティの王冠はまだ一眼レフシステムにあることを再び示している。このレンズはかなり暗いかもしれないが、非常にシャープだ。色収差はよく補正されており、歪曲はいくらか見られるがもっと悪いレンズは沢山ある。
  • 唯一の弱点は広角端の周辺光量落ちで、自動補正を使うといいだろう。鏡筒の造りは、プラスチックを多用しているにもかかわらず、とてもきちんとした品質だ。このレンズは、極めて安価なだけでなく全体的にハイクオリティであることを考えると、"大いに推薦!" 以外の結論は無い。

 

光学性能の評価は5点満点中3.5点で、安価なズームレンズとしてはとても良好な評価となっています。このレンズは超広角ズームにもかかわらず、開放からズーム全域で画面の隅まで高い解像力なのは見事ですね。歪曲も超広角ズームとしては小さ目なので、あまり被写体を選ばずに使えそうです。

欠点は周辺光量落ちが大きいことですが、超広角ズームとしてはコンパクトなレンズなので、これは仕方がないかもしれませんね。