・Fujifilm Fujinon XF 56 mm f/1.2 R
- 絞りリングは緩すぎる。
- フォーカスリングは十分な重さがあり、非常にスムーズに回転するので、使っていて楽しめる。フォーカシングはモーターによる駆動で、カメラに装着していないと動作しない。フォーカシングで前玉は回転しない。
- 中央の解像力は、開放では良像の基準値(40-41lpmm)のボーダーライン上だ。F1.2のレンズの評価としては個人の好みによるところが大きく、とても満足と考える人もいれば若干不十分だと言う人もいるかもしれない。幸いなことにF1.4では完全に許容範囲内(48lpmm前後)になり、F2では60lpmmの非常に良好なレベルに達する。F4では75.6lpmmに達し、これまでのレコードを破っている。このレンズの中央の解像力は申し分ない。
- 隅の解像力は、F1.2とF1.4ではかなり低く(28-29lpmm前後)、F2では若干改善する(38lpmm前後)が、まだ良像の基準値を下回っている。基準を上回るのはF2.5付近で、これは誇れるようなものではない。
- 軸上色収差は、開放で目立つのは理解できるが、1段絞っても改善しないのは意外で、少々残念な結果だ。とは言えニッコールの85mmクラスのレンズと比較すれば、富士はそれでもなお良好な結果だ。
- 倍率色収差は開放付近から非常に小さく、素晴らしくよく補正されている。2-3段絞ると倍率色収差は実質的にゼロになる。
- フォーカスシフトは全く見られない。
- 歪曲はJPEGでもRAWでもほぼゼロ(+0.1%)で、問題はない。
- 周辺光量落ちはJPEGでは自動補正され、F1.2(24%、-0.80EV)、F1.4(17%、-0.53EV)、F2(16%、-050EV)の絞り値でのみ目に付く。F2.8では5%(-0.16EV)で、ほとんど解消する。RAWでは、周辺光量落ちは開放で45%(-1.75EV)でより大きな問題だ。F1.4では40%(-1.48EV)に、F2では22%(-0.72EV)に改善し、F2.8では9%(-0.26EV)で問題はなくなる。周辺光量落ちはかなり高い値だが、それでもなおフルサイズ用の85mmクラスと比べれば良好だ。
- 逆光では、明るい光源が画面内にある場合でのみ問題があり、このとき非常に激しいフレア・ゴーストが現れる。面白いことに、太陽が画面外に移動すると全ての問題は解消する。
- AFは完全にノイズレスではないが静かで速い。最短から無限遠までは0.4-0.5秒だ。AFは方向によって速さが少し異なり、最短から無限遠方向の方が速い。AF精度は、浅い深度にもかかわらず一度の合焦ミスもなく、極上としかいいようがない。前ピンや後ピンの傾向もない。
- XF56mm F1.2 は多くの優れた点があるが、一方で、その価格を考えると欠点(開放の周辺部の画質、軸上色収差、周辺光量落ち、逆光耐性)は少し気になる。このレンズは極めて明るく鏡筒のサイズはそれほど大きくないので、開放付近の周辺部の解像力に驚きはないが、逆光耐性と軸上色収差は意外だった。総括すれば、このレンズの性能に満足だが、残念ながら価格が高価なので、若干価格が下がれば全体的な印象も改善するだろう。
- 良い点: 頑丈な鏡筒、中央の素晴らしい画質、倍率色収差が実質的にゼロ、非点収差が穏やか、高速で静かで正確なAF。
- 悪い点: 開放付近の隅の画質が弱すぎる、軸上色収差が大きすぎる、周辺光量落ちが目立つ、逆光にもう少し強ければよかった。
XF56mm F1.2 R は各所のレビューで非常に評価の高いレンズですが、このLensTip のレビューでは少し辛口の評価になっているようです。
レビューでは開放付近の隅の解像力の低さが指摘されていますが、F2.8まで絞れば十分以上の解像力になるので、開放付近は背景をぼかして使うことが多いことを考えれば、あまり問題はないかもしれません。逆光耐性はサンプルを見る限りでは、確かに少し気になるところですね。
ぱんた
アサカメのポートレートレンズ対決でピックアップされてましたけど
解像力とボケ味でそれぞれ★5個(満点)でした
チャートテストで開放の性能、特に周辺はあまり参考にならないような・・・
周辺は絞った先で改善され全面シャープになるなら
風景でも使えますし全く問題ないと思います。
てかF4から5.6の数値がスゴイ。。。
APS-Cですが最高のレンズのひとつでしょうね^^
Yuop
開放はいくらか甘い方が表現の幅がかあって良いんじゃないでしょうか
ペンタ党
本記事でも指摘されていますが、当レンズ(に限らずフジのレンズ)は
スペックに比してかなり高価なように思います。
ポートレート用途で開放付近での使用をお考えの方もおいでしょうが、
その場合、当レンズはフルサイズ換算85mmF1.8に近似した
画角・ボケ量で有しております。
類似のスペックを持つフルサイズ用レンズと価格を比較してみます
(今しがた価格.comで調べたものです)。
・XF56mm F1.2 R ¥88,725
・AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G ¥48,646
・EF85mm F1.8 USM ¥46,219
実用上同スペックのフルサイズ用レンズの2倍弱の価格であり、
付言すれば重量も同等です。
いくら高性能とは言えこの差はいくらなんでも、
というのが個人的な実感です。
tosscar
ペンタ党さん:
Pana-Leica 42.5mm/F1.2なんて、フルサイズ換算85mmで、F1.2とはいえ定価\200,000-(税別)ですよ。425gと軽いものの、フジよりももっと高いのです。
それを考えると、フジのレンズは安い気がしています...
と言いながら、42.5mmは買ってしまったのですが。
ペンタ党
>tosscar様
パナライカ42.5mmF1.2はかなり高価だと思います。
上記コメントと同様に価格.com最安値を見ても¥125,800です。
どうもパナソニック社はライカ銘が付くと強気の価格にする傾向が
あるようです。
ちなみに自分のような貧乏人は¥24,678のオリ45mmF1.8で十分ですw
ピノ
フードを取り付けると、緩くカタカタ音がする。メーカーに送ると「不具合ではないので、修理するなら有料」と保証期間なのに冷たい反応。写りは寒色に寄る。XF23やXF35と比べると明らかだ。