ニコンAF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR は性能の割りに価格が高い

Photography Blog に、ニコンのAPS-C用の標準ズーム「AF-S DX NIKKOR 16-80mm f/2.8-4E ED VR」のレビューが掲載されています。

Nikon AF-S DX Nikkor 16-80mm f/2.8-4E ED VR Review

  • 重さは480グラムで、このレンズはニコンのAPS-C用の標準ズームとしては最も重いものの1つだ。D5500との組み合わせでは少し大きすぎる感じで、D7200のような大きなカメラの方が落ち着く。
  • 鏡筒とフィルター枠はプラスチック製だが、しっかりとした感触だ。マウントは金属製だが、マウント周囲にゴムのシーリングは施されていない。鏡筒は望遠端にズームすると大きく繰り出す。
  • 手ブレ補正は、焦点距離分の1のシャッター速度よりも3段遅いシャッターでシャープな画像が得られた。三脚使用時は、自動的に検知してVRが無効になる。
  • AFは非常に静かで満足の行く速さだが、爆速ではない。近接域からかなり遠い場所にフォーカスポイントを変えると、AFが迷う傾向がある。フォーカシングで前玉は回転しない。
  • 軸上色収差と倍率色収差は、いずれもよく補正されている。
  • 逆光では、太陽を直接画面に入れた場合でもフレアはよく抑えられている。
  • 開放ではかなり強い周辺光量落ちが見られる。絞ると改善するが、完全に解消するにはF5.6以上に絞る必要がある。
  • 歪曲は16mmではタル型が非常に目立ち、80mmでは穏やかな糸巻き型になる。
  • 最短撮影距離は0.35m、最大撮影倍率は0.22倍で、近接性能はとても良好だ。
  • 7枚羽根の円形絞りが採用されており、ボケは概ね良好だ。
  • 解像力は、16mmでは開放では中央は若干甘いが、F4からF11ではとても良好になる。F16とF22は、回折の影響で少し悪化する。隅はF5.6からF11でベストの結果が得られるが、それほど良好ではない。
  • 24mmでは、中央は開放では若干甘いが、F5.6からF11でとても良好になり、F16とF22では回折の影響で少し悪くなる。隅はF8からF11で最高の結果が得られるが、それほど良くはない(※35mm、50mm、80mmもほぼ同じ内容です)。
  • 画質は中央は少し絞ればシャープだが、隅は中央ほど良くはない。ボケは思いのほか良好で、また、ズーム全域で寄れるので汎用性が高い。フレア耐性は良好だ。歪曲はズームの両端で顕著で、後処理で補正する必要があるだろう。
  • このレンズには金のリングが付いており、明らかにDX用のプロフェッショナルグレードのレンズを目指しているが、全体的な画質はそのレベルに完全に達しているとは言えない。ほとんどプラスチック製の鏡筒には、プレミアム感はない。そして発売時の価格は非常に高い。このレンズは、1069.95ドルの高い価格を正当化するのに十分とまでは言えない。

 

このレンズは、開放付近は少し甘いものの絞れば十分にシャープになるようなので、開放付近からカリカリっとした描写を求める人にはあまり合わないかもしれませんが、実用的には全く問題はなさそうです。ボケはズームにしてはなかなか良さそうで、開放付近は雰囲気のある描写という印象です。